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今日のことわざ『麻の中の蓬』の意味、由来、類義語、対義語、使い方、英語表現などをエピソード付きで徹底解説!

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先日、衝撃かつ感動のラストを迎えた傑作ドラマ『俺の家の話』ですが、

今回は戸田恵梨香さんが演じた介護ヘルパーの『さくらちゃん』をことわざで表現していきたいと思います。

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彼女はドラマ序盤では、先が短くなった老人をターゲットにした結婚詐欺師としての登場でしたが、最終的には観山家を支える素晴らしい介護士へと変貌を遂げましたね。

自身が暗い過去を持つうえ、介護ヘルパーとして相続問題で起こる人間の醜さばかりを目にしてきた彼女でしたが、観山家の温かさや深い絆に感化されたことで考えを改め、ラストでは永山絢斗さん演じる次男・踊介と結婚までしていました。

そんなさくらちゃんのたくましさと見事な更生を称えて、今日のことわざは・・・

今日のことわざ『麻の中の蓬』

今日のことわざ
 

麻の中の蓬(あさのなかのよもぎ)

意味 ・・・ 善人と交われば、自然に感化されて善人になることのたとえ。良い環境によって善が生ずることのたとえ。

『麻の中の蓬』の意味、由来

麻の中の蓬とは、

(あさ)』と『(よもぎ)』、それぞれの植物の特徴をたとえたことわざになります。

麻は、地面から垂直にまっすぐ育っていくのに対して、

蓬は、枝分かれしながら曲がりくねって成長していきます。

これらの特徴から、枝分かれして曲がりくねって育つ蓬でも、まっすぐに育つ麻の中に入れば、麻につられて自然とまっすぐ育つようになるのです。

この自然界での現象を、人間関係や置かれた環境によって生まれる変化にたとえて、

麻の中の蓬 とは、

善人と交われば、自然に感化されて善人になることのたとえ。良い環境によって善が生ずることのたとえ。

という意味になります。

また、秦が斉を滅ぼし、中国を統一するまで続いた戦国時代の思想家・荀子(じゅんし)が書いた『荀子』という書に由来します。

『荀子』は彼の思想をまとめた全32編ある著書で、「麻の中の蓬」は一番最初の「勧学」という編に、

蓬麻中に生ずれば、扶けずして直し

(ともぎもまちゅうにしょうずれば、たすけずしてちょくし)

とあります。

『麻の中の蓬』の類義語、対義語

類義語
 

朱に交われば赤くなる(しゅにまじわればあかくなる)

意味 ・・・ 人は、つき合う人や環境によって、良くも悪くもなるというたとえ。普通、よくない意味で使われる。

人は善悪の友による(ひとはぜんあくのともによる)

意味 ・・・ 良くなるも悪くなるも友人の感化が大きいということ。

水は方円の器に随う(みずのほうえんのうつわにしたがう)

意味 ・・・ 人は付き合う友や環境に感化されるものだというたとえ。

対義語
 

泥の中の蓮(でいのなかのはちす)

意味 ・・・ 周囲の悪い環境に染まることなく清く正しいこと。

藪の中の荊(やぶのなかのうばら)

意味 ・・・ 人は悪い環境や悪い仲間に交われば、悪い人間になってしまうというたとえ。藪の中に生えたいばらは、他の草木に邪魔されて真っ直ぐ育たないことから。

「荊」は、いばらのこと。

こんな場面で使おう!『麻の中の蓬』を使った例文

例文
 

・引きこもり気味だった息子がクラス替えを機に明るくなったのは、麻の中の蓬というもので、新しくできた友達のおかげだろう。

麻の中の蓬というように、人間は環境によって大きく変化するものだ。

・夫婦仲が極めて悪い環境では、子供が麻の中の蓬のように育ってはくれないだろうと、私たちは離婚を決意した。

・あまりやる気はなかったが、中学からの成り行きで高校でも野球部に入った私だったが、共に切磋琢磨できる仲間のおかげで、麻の中の蓬のごとく野球に打ち込むことができた。

・ダイエットに何度も失敗していた私だったが、ダイエット合宿に参加することで、麻の中の蓬のように目標体重まで痩せることができた。

『麻の中の蓬』を英語で表現すると?

比喩的な表現では、

He who touches pitch shall be defiled.

pitch ・・・ 石油やタールなどを精製する時に出る、カスのようなもの。

(汚いものに触れると自分も汚れる)

Show me your friends, I’ll show you your future.

(周りの友達をみれば、将来がわかる)

Who keeps company with the wolf will learn to howl.

直訳:(狼と付き合うものは吠えることを覚える)

直接的な言い回しでは、

Keep good men company and you shall be of the number.

(善人とつき合えば善人の仲間になれる)

これらのように表せます。

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まとめ

誰もが少なからず誰かの、何かの影響を受けて生きています。

置かれた環境、付き合う人間によって、良くも悪くもなってしまうものです。

親と上司は選べない ということわざもありますが、付き合う人、友人は自分で選択することができます。

人間なんて弱いもので、しっかり自分を持っていそうな人でも、回りから多大な影響を受けているものです。

どうせ影響を受けるなら、いい影響を与えてくれ、いい刺激をたくさんくれる人たちと付き合っていきましょうね。

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