ことわざ

今日のことわざ『目から鱗が落ちる』の意味、由来、類義語、対義語、使い方、英語表現などをエピソード付きで徹底解説!

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朝ドラ『おちょやん』からことわざを学ぼう!

いよいよ物語も佳境を迎えたNHK朝の連続テレビ小説『おちょやん』ですが、物語序盤から張られていた伏線がここに来てようやく回収されましたね。

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千代(杉咲花)が 京都の鶴亀撮影所で大部屋女優としてキャリアをスタートさせて以来、節目の度に花籠を贈り続けていた人物は、なんと幼い千代が父親に捨てられるも同然に奉公に出されることになった原因を作った人物、父の後妻となった栗子(宮澤エマ)だったのです。

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夫であり劇団の座長の一平(成田凌)の裏切りに加えて、役者としての自信喪失で失意のどん底にいた千代を探し出し、栗子は戦争で両親を亡くした千代の姪にあたる女の子(春子)の世話を申し付けました。

面倒を押し付けるかのようなぶっきらぼうな口調に強い反感を持った視聴者も多かったことでしょう。

そんな暮らしの中、突然千代のもとにラジオドラマ出演のオファーが舞い込みます。

当初は『もう女優をやるつもりはない』と頑なに拒んでいましたが、共演者や脚本家の熱心な誘いと、姪の春子との温かい生活の中で自分を取り戻していった千代は、ついにラジオドラマ出演を決意しました。

そして、ラジオドラマの顔合わせ当日、栗子は千代に花籠を差し出します。

状況が理解できず動揺する千代に、栗子は語り始めました。

千代が奉公へ出てすぐに、千代の父とは別れ、一人で子供を産み、育てたこと。

そして我が子への愛情が大きくなるにつれて、あの時自分が追い出してしまった千代のことを思い出し、罪の意識に苛まれてきたこと。

千代が役者として活動していると聞いた時には、嬉しくてたまらなかったこと・・・。

千代の知らない栗子の『これまで』のことを聞きながら、千代の頭のなかで様々なことが結びついていきました・・・。

春子が『おばあちゃんは学校に行っていないから字が読めない』と言っていたこと。

嫁いできた時には、三味線以外の荷物はほとんどなく、自分と同じような境遇で生まれ育ったということ。

失意のどん底にいた自分を探し出し、姪(春子)の世話をさせることによって、自分を生かそうとしてくれたこと。

そして、花籠を贈り続け、ずっと陰ながら見守ってくれていたこと。

今までずっと心の支えとしてきた花籠の贈り主の正体がわかり、まさに目から鱗が落ちた千代は、涙を流しながら栗子に感謝の気持ちを伝えたのでした。

というわけで、今日のことわざは・・・

今日のことわざ『目から鱗が落ちる』

今日のことわざ
 

目から鱗が落ちる(めからうろこがおちる)

意味 ・・・ 何かがきっかけになって、急に事態が理解できるようになること。

『目から鱗が落ちる』の意味、由来

『目から鱗が落ちる』という表現は、『新約聖書』使徒行伝・第九章にある

「The scales fall from one’s eyes.」

という言葉に由来しています。

『新約聖書』使徒行伝・第九章での、話の流れを一部要約しますと、

キリスト教を迫害していた熱心なユダヤ教徒のサウロ(後のパウロ)という者が、ダマスコという町の近くにきたとき、突然、倒れ込むほどの光が天から差してきました。

その時サウロは「サウロ、サウロ、なぜわたしを迫害するのか」というキリストの声を聞きました。

そして、その後、サウロが立ち上がると、目が見えなくなっていました。

その一方で、キリストはダマスコに住むアナニヤという弟子に、サウロを助けるよう指示しました。

そして、サウロのもとに行ったアナニヤがサウロの上に手を置くと、なんとサウロは目は見えるようになったのです。

このときサウロは「目から鱗のようなものが落ちた(The scales fall from one’s eyes.)」と言い、熱心なユダヤ教徒であったサウロはキリスト教に改宗したのでした。

このエピソードは「サウロの回心」といわれ、それ以来、サウロはユダヤ教徒たちから何度も激しく拒絶され、命を狙われながらも、キリスト教の布教に生涯を捧げました。

この時の言葉、「The scales fall from one’s eyes.」が翻訳され、『目から鱗が落ちる』ということわざが生まれました。

そして『目から鱗が落ちる』の意味の解釈ですが、

『鱗』とは、魚や爬虫類などの身体を覆っている薄い皮のようなものです。

それが、コンタクトレンズのように目に貼り付いていたらどうでしょう。

鱗は濃淡は物によって異なりますが、それぞれに色がついており、もちろんコンタクトレンズのように『度』など入っていませんので、何も見えません。

そして、当たり前のことですが、目に貼り付いた鱗がポロっと落ちると、視界は良好になり、よく見えていなかったものが、急に鮮明に見えるようになります。

すなわち、『目から鱗が落ちる』とは、その視覚的な変化を、思考や思想、気持ちの変化にたとえた表現で、

何かがきっかけになって、急に事態が理解できるようになること。

という意味になったのです。

また、『目から鱗』と使われる場合もあります。

『目から鱗が落ちる』の類義語、対義語

類義語
 

我に返る(われにかえる)

意味 ・・・ 気を失っていたのが意識を取り戻すこと。また、他のことに気を取られていたのが、ハッと気がつき、本心に返ること。

腑に落ちる(ふにおちる)

意味 ・・・ 納得がいく。合点がいく。

主に否定形の「腑に落ちない」の形で用いられており、「腑に落ちる」は誤用と捉える見方もありますが、一応類義語として挙げておきます。

対義語
 

途方に暮れる(とほうにくれる)

意味 ・・・ どうしてよいかわからずに、困り果てること。

対義語として微妙ですが、一応挙げておきますね。

こんな場面で使おう!『目から鱗が落ちる』を使った例文

例文
 

・歌手ににあると家を飛び出した私を祖母が陰ながら応援してくれていたことを知った時、これまでの不可解な出来事の謎が解け、まさに目から鱗が落ちたようだった。

・栄養学、スポーツ学を学んで、私がどんなに頑張っても痩せない理由が、筋肉の少なさによる基礎代謝の低さだったと知り、目から鱗が落ちる思いだった。

・漫画『ワンピース』には、目から鱗が落ちるような伏線が至る所に張られている。

・今まで多くの野球理論の本を読んできたが、先日読んだ本は素晴らしい解説で、目から鱗が落ちた

・社内で行われた有名講師を招いての講習会は、まさに目から鱗が落ちるような内容が盛りだくさんだった。

『目から鱗が落ちる』を英語で表現すると?

新約聖書での言葉通りですが、

The scales fall from one’s eyes.

(目から鱗が落ちる)

と表します。

また、『scale』 という単語は、カタカナ語としても一般的になっているように、規模、尺度、目盛り、計り(計量器)などの意味があります。

大規模な物事や人物を、スケールが大きいと言ったり、長さを計測するメジャーや重量を計量する計量器などは『スケール』と呼ばれています。

さらには、魚や爬虫類の『鱗(うろこ)』という意味もあります。

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まとめ

誰もが『目から鱗が落ちる』経験をしたことがあるでしょう。

勉強においては、何度教えてもらっても全くわからなかった問題が、それまでとは違う先生の説明や、ちょっとした言い回しの違いで突然理解できるようになったことってありますよね。

スポーツの世界では、指導者、コーチが変わったことで、すぐに才能が開花することは珍しい話ではありません。

何の興味もなかったことが、なにかをきっかけに突然面白くなることもあるでしょう。

『目から鱗が落ちる』ような経験は、自分の視野や可能性を広げてくれる素晴らしいものです。

ぜひ、あなたの目を覆った何重もの鱗をたくさん落としていきましょう!

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