故事成語

今日のことわざ『破竹の勢い』の意味、由来、類義語、対義語、使い方、英語表現などをエピソード付きで徹底解説!

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ロサンゼルス・エンジェルスの大谷翔平選手の快進撃から、ことわざを学ぼう!

2021年、二刀流プレーヤーとしてメジャーリーグで大暴れしているロサンゼルス・エンジェルスの大谷翔平選手ですが、毎日のように日本に明るいニュースを届けてくれていますね。

開幕から投打にわたり好調で、投げては先発3勝、打っては『破竹の勢い』で、すでに26本ものホームランを量産し(2021年6/29現在)、メジャーリーグの猛者たちと熾烈な本塁打王争いを繰り広げています。

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そんな大谷翔平選手の快進撃にちなんで、今日のことわざは・・・

今日のことわざ『破竹の勢い』

今日のことわざ
 

破竹の勢い(はちくのいきおい)

意味 ・・・ 竹が最初の一節を割るとあとは一気に割れるように、猛烈な勢いで進むこと。また、勢いが盛んで押さえがたいこと。

『破竹の勢い』の意味、由来

まず、『破竹の勢い』の『竹』とは、山に自生している植物の竹を指しています。

そして、竹には固い節があることから、

縦方向に簡単に割ることはできません。

ですが、最初の一節さえ割ってしまうと、その後は縦方向に勢いよく一気に割れていきます。

このことから、『破竹の勢い』とは、

猛烈な勢いで進むこと。また、勢いが盛んで押さえがたいこと。

という意味を表します。

また、由来としては、晋王朝(265年 – 420年)について書かれた歴史書『晋書』に収められた『杜預伝』にある故事にあります。

その故事を要約しますと・・・。

280年、中国北部を支配していた西晋王朝の軍は、南部の呉に攻め入り、都である建業(現在の南京付近)の近くにまで迫りました。

しかし、ちょうど蒸し暑い雨季に差し掛かる時期だったため、指揮官たちの多くは、一旦退いて雨季が過ぎてからもう一度、攻め込もうという意見で一致していました。

ですが、杜預(どよ)という将軍だけは、

今兵威已振。譬如破竹、數節之後、皆迎刃而解。無復著手處也。

「今兵威已に振う。譬ばを竹を割るが如し。數節の後、皆刃を迎へて解け、復手を著くる処無し」

現代語訳:「今の勢いならば、残りの戦いは『譬たとうれば破竹の如し(たとえるなら竹を割るようなものです)。刃を差し入れて、数節だけ裂け目を入れれば、あとは一挙に割れてしまうでしょう」

と、現在の勢いによる自軍の絶対的勝利を主張し、そのまま攻め進むことになったのです。

その結果、戦いは杜預の言った通りに進み、晋は呉を滅ぼし、中国統一を果たしたのでした。

この故事から、『破竹の勢い』という表現が生まれたのでした。

『破竹の勢い』の類義語、対義語

類義語
 

飛ぶ鳥を落とす勢い(とぶとりをおとすいきおい)

意味 ・・・ 権力や、威勢が、とても盛んであるということ。

草木も靡く(くさきもなびく)

意味 ・・・ 盛んな威勢に、すべてのものがなびき従うことのたとえ。

日の出の勢い(ひのでのいきおい)

意味 ・・・ 朝日が昇るように勢いが盛んであることのたとえ。

騎虎の勢い(きこのいきおい)

意味 ・・・ 物事が勢いづいて、途中でやめるにやめられなくなることのたとえ。

対義語
 

見る影もない(みるかげもない)

意味 ・・・ 以前とすっかり変わって、みすぼらしくみじめになってしまった様子。

吹けば飛ぶような(ふけばとぶような)

意味 ・・・ わずかな風でも吹き飛ばされるほど軽いさま。また、貧弱なさま。

威勢や勢いに欠けることを表すものとして、これらの表現を対義語として挙げておきます。

こんな場面で使おう!『破竹の勢い』を使った例文

例文
 

・映画版『鬼滅の刃』は、コロナ禍のなか破竹の勢いで日本映画界の多くの記録を更新した。

・業界内では吹けば飛ぶようなベンチャー企業だと舐められていたが、我々は革新的な技術を武器にして、破竹の勢いで国内でのシェアを拡大している。

・飛び込み営業のこつを掴んだ彼は、破竹の勢いで社内のエース営業マンへと成長した。

・今まで部活ばかりで、勉強を全くしてこなかったのがかえってよかったのだろうか。部活を引退して勉強に専念して以降、彼の成績は破竹の勢いで上がっていった。

・高校野球の甲子園大会では無名の高校が大観衆を味方につけることで、破竹の勢いで勝ち進むことがよくある。

『破竹の勢い』を英語で表現すると?

勢いが盛んなことを表す英熟語はこれらのようにたくさん生み出すことができますが、

Irresistible force ・・・ あらがえない力

with great force ・・・ すごい力

with great vigour ・・・ すごい勢い

on unstoppable manentum ・・・ 止められない勢い

比喩的な表現としては、このようなものがあります。

He is ready to leap over nine hedges.

leap ・・・ 飛び越える hedge ・・・ 生垣

九つもの生け垣をも飛び越えんとする勢い。

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まとめ

『破竹の勢い』とは、竹が気持ちいいほどに勢いよく真っ二つに割れていく様子を、人や物事の勢いにたとえた表現ですが、実際にはそうは簡単にいきませんよね。

調子が上がってきたと思ったところでトラブルに見舞われたり、邪魔が入ったりと、破竹の勢いで突き進んでいくことは厳しいものです。

それには、『固く頑丈な最初の節を割る作業』、つまり、破竹の勢いを得るまでの地道な努力、一歩踏み出す勇気が必要になってきます。

大谷翔平選手が、例を見なかった二刀流プレーヤーとして多くの批判を跳ね返し、度重なる怪我にも負けず努力を重ねてきたように、私たちもまず、コツコツと最初の節に切れ目を入れていく必要があるのです。

いつか破竹の勢いを得る時のために・・・

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