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今日のことわざ『若いウミガメの如し』の意味、由来、類義語、対義語、使い方、英語表現などを徹底解説!

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近年、親からの虐待によって、幼い命が失われるという悲惨なニュースが増え、残念で仕方ありません。

親としての愛情、責任感などを疑われるような報道ばかりで、虐待を受ける小さな子供の気持ちを思うと、不憫でなりません。

そのような残酷な事件がなくなるようにと願いを込めて・・・

今日のことわざは・・・

今日のことわざ『若いウミガメの如し』

 

若いウミガメの如し(わかいうみがめのごとし)

意味 ・・・ ウミガメは卵が孵るとそれを食べてしまうと見られたことから、愛と責任のない親をいう。

 

解説

ウミガメは卵が孵るとそれを食べてしまうと見られたことに由来することわざで、南太平洋に浮かぶ小さな島、『サモア島』で生まれました。

幸運を呼ぶ生物と呼ばれるほど珍しいウミガメも、サモアでは、それほど珍しい生き物ではなく、間近で見て、触れて、一緒に泳ぐこともできるようです。

ウミガメは子供を食べるのか・・・?

『若いウミガメの如し』とは、ウミガメは卵が孵るとそれを食べてしまうと見られたことから、愛と責任のない親をいう。

ということわざなのですが、ウミガメの生態を私なりに調べてみたところ、そのような事実は見当たりませんでした。

恐らく、そのように思われていた(誤解されていた)ことから広まり、この表現が生まれたのたど思われます。

ウミガメからすれば、濡れ衣を着せられたようで、いい迷惑ですよね。

濡れ衣を着せられる(ぬれぎぬをきせられる)

意味 ・・・ 無実の罪におとしいれられる。身に覚えのない疑いをかけられる。

怒っているように見えますね・・・

ウミガメの産卵

また、ウミガメで有名なのは、産卵すよね。

涙を流しながら、ピンポン球のような卵をポコポコと生み出す姿は、神秘的で美しいですよね。

ウミガメは、卵を産む時には、生まれ故郷の砂浜へ帰ってきます。

砂浜に穴を掘り、その中に卵を産み落とすのです。

一度の産卵で約100個の卵を産むそうです。

顔のアップですが、涙を流しながら卵を産むと言われていますが、実はあれは涙ではなく、汗のような分泌液を涙腺から出しているだけで、残念ながら成分的には涙ではないそうです・・・。

産卵を終えたウミガメは、再び海へと帰っていきます・・・

産卵後、約2か月ほどで孵化します。

たくさん生まれていますね。

かわいいですね・・・

こうして卵から孵(かえ)ったウミガメの赤ちゃんは、砂浜を歩いて海へと向かうのですが・・・

ですが、その道中にウミガメの赤ちゃんには、とんでもない試練が待ち受けているのです。

海鳥やカニなどが、一気に赤ちゃんウミガメに襲い掛かるのです!

その結果、多くの赤ちゃんウミガメが捕食されてしまいます。

運よく海の中へ入ったとしても、大きな魚や水鳥に捕食されてしまい、生き残れるのはごくわずかだそうです。

ですが、危険の中に飛び込んで深い海を目指す赤ちゃんウミガメには、頼もしい能力が備わっているということもウミガメが神秘的な生き物として考えられる一因です。

赤ちゃんウミガメは巣穴を出た時点で、フレンジーと呼ばれる、極度の興奮状態(覚醒状態)に入り、丸一日寝ずに泳ぎ続けることができるそうです。

現在、絶滅の危機まで懸念されるウミガメですが、赤ちゃんウミガメには、頑張って生き抜いて欲しいものですね。

私は、『若いウミガメの如し』ということわざは、卵が孵るとそれを食べてしまうとでことからでなく、卵を産んだ後、世話をしないで海に帰るというウミガメの生態に由来しているのではないかと推測します。

類義語 対義語

類義語

親としての責任感、愛情のなさをたとえた表現ですが、類義語とされるような表現は見当たりません・・・

対義語

 

焼野の雉、夜の鶴(やけののきぎすよるのつる)

意味 ・・・ 親が子を思う、愛情が深いことのたとえ。

キジ(きぎす)は、巣のある野原を焼かれると、危険をかえりみず、わが子を救おうとし、ツルは寒い夜、自分の羽で子をおおって、温めるということから。

蝶よ花よ(ちょうよはなよ)

意味 ・・・ 親が自分の子どもを、とても大切にかわいがること。

 

こんな場面で使おう 例文

 

例文 親子間の虐待の報道を目にするたび、若いウミガメの如し親の存在を非常に悲しく思う。

例文 我が子に満足に食事を与えないなど、若いウミガメの如し、言語道断である。

例文 親はなくとも子は育つということわざがあるが、それはあくまで子供のたくましさ、世間の暖かさがあってこそ生まれた表現であって、若いウミガメの如し甘い覚悟では、人の親になるべきではない。

 

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まとめ

今日のことわざとして紹介した『若いウミガメの如し』とは、できることなら使われないことを願うような寂しいことわざです。

ことわざを紹介するためのブログにもかわらず、ウミガメの生態についてがメインのような投稿になってしまったのは、私のそんな思いからです。

ウミガメの母親は、産卵時だけ砂浜に上がり、潮が届かない場所に穴を掘り、卵を産み落とした後、きれいに砂を被せて海へと帰っていきます。

その行動を無責任な親と捉えるのあれば、少しかわいそうな気がします。

母ウミガメにとっても、陸地には危険がいっぱいなのです。

最後に砂を被せることが、精一杯の我が子への愛情なんだと思います。

もしかしたら、産卵中に母ウミガメが目から流すは、液体は、我が子との別れの涙だと思いたいですね。

我々はウミガメとは異なり、子供と一緒に暮らし、意思の疎通が取れ、好きなだけ愛情を注ぐことができます。

天敵などいない平和な世界で、穏やかに暮らせることを、幸せに思いましょう。

もうこれ以上、あのような悲惨な事件が起こりませんように・・・

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