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今日のことわざ『賽は投げられた』の意味、由来、類義語、対義語、使い方、英語表現などをエピソード付きで徹底解説!

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開幕まで1月を切った東京オリンピック・パラリンピックから、ことわざを学ぼう!

2021年6月末現在、東京オリンピック開催まで1か月を切っていますが、未だに開催の是非を問う議論がなされています。

当然、置かれた立場や境遇によって、それぞれ意見は異なってきますので、何が正解なのかは判断できないでしょう。

ですが、すでに開催国の日本だけでなく全世界が開催への最終調整に入っています。

もちろんコロナ禍でのオリンピック・パラリンピック開催に不安を抱いていない人はいないでしょう。

そのうえで、世界中のアスリートの方たちも、主催する日本も『賽は投げられた』と覚悟を決め、安全にオリンピックを行うために日々戦っておられます。

私たちは、引き続き感染防止に努め、テレビの前からでも選手たちを精一杯応援して、オリンピックを盛り上げていきましょう。

というわけで今日のことわざは・・・

今日のことわざ『賽は投げられた』

今日のことわざ
 

賽は投げられた(さいはなげられた)

意味 ・・・ 事は始まっているのだから、あれこれ考えずに、断行するしかないということ。

『賽は投げられた』の意味、由来

ここでの『賽』とは、賭博やすごろくなどのボードゲームで使われる『サイコロ』を指しています。

つまり、『賽は投げられた』とは、

勝負を決めるサイコロは既に投げられて(振られて)しまったということから、

事は始まっているのだから、あれこれ考えずに、断行するしかないということ。

という意味になります。

由来としては、古代ローマ時代、共和政末期の政治家、将軍だったガイウス・ユリウス・カエサルが発した言葉によります。前後関係を含めて、このエピソードをまとめますと・・・

紀元前49年、ガリア属州総督を務めていたカエサル(英語ではシーザー)に、かつての盟友だが、今や敵対する間柄となったポンペイウスの手引きによって、カエサルのガリア属州総督解任および本国召還を命じる『セナトゥス・コンスルトゥム・ウルティムム(元老院最終決議)』が発布されました。

イタリア本土に始まり、世界史上類まれな領土を誇ったローマ帝国ですが、属州から帝国の中枢を担うイタリア本国に軍隊を率いて入ることは大帝国への反逆、宣戦布告と見なされ、法で厳しく禁じられていました。

そして、その本国と属州との境界線として定められていたのが、ルビコン川という川でした。

本来なら軍を解散してルビコン川を渡り、イタリア本国を目指す必要があるのですが、この時、カエサルには法に則って帰れない理由があったのです。

ローマにではポンペイウスがカエサルを待ち構えており、そこに単身乗り込むことは自殺行為に等しいことでした。

そこでカエサルは、

「ここを渡れば人間世界の破滅、渡らなければ私の破滅。神々の待つところ、我々を侮辱した敵の待つところへ進もう、賽は投げられた」

と兵士たちに向けて檄を飛ばして、ルビコン川を渡り本国に入ったのでした。

記録としては、この言葉はローマ帝国五賢帝時代の歴史家、政治家であるガイウス・スエトニウス・トランクィッルスが著した『皇帝伝』にあります。

『皇帝伝』・・・ 終身独裁官ガイウス・ユリウス・カエサルおよび帝政ローマ初代皇帝アウグストゥスからドミティアヌスまでの11名のローマ皇帝、計12名の伝記。

『賽は投げられた』の類義語、対義語

類義語
 

一か八か(いちかばちか)

意味 ・・・  結果を考えず、運に任せて思い切りやってみること。

伸るか反るか(のるかそるか)

意味 ・・・ 成功するか失敗するか、結果はわからないが、運を天に任せて思いっきりやってみるということ。

一擲乾坤を賭す(いってきけんこんをとす)/乾坤一擲(けんこんいってき )

意味 ・・・ 一大勝負を仕掛けること。

対義語
 

白紙に戻す(はくしにもどす)

意味 ・・・ 何もなかった、元の状態に戻すこと。

後戻りできないというニュアンスの反対の意味として対義語として挙げておきます。

こんな場面で使おう!『賽は投げられた』を使った例文

例文
 

・完璧な準備ができたとは言えないが、すでに賽は投げられたのだから覚悟を決めて臨むしかない。

賽は投げられた。私の挑発的な発言が彼を本気にさせてしまったようだ。

・出世レースに乗り遅れた今になって思い返せば、あの時すでに賽は投げられていたのだろう。

・じたばたしてないで、いい加減腹を括ろう。賽は投げられたのだから。

・ライバルたちはとっくに賽は投げられたと受験勉強に励んでいたが、私ときたら随分と後れを取ってしまった。

『賽は投げられた』を英語で表現すると?

英語では、

The die is cast.

(賽は既に投げられた)

原文となるラテン語では、

Alea jacta est.

となります。

画像はイメージです。

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まとめ

アスリートや実業家などの名言には、『覚悟』という言葉が多く出てきます。

覚悟を決めることによって物事は動き始め、後戻りできなくなります。

確かにこのパンデミックのなかでのオリンピック・パラリンピック開催への不安は大いにあるでしょう。

ですが、賽は投げられたと覚悟を決めて大会を安心、安全に成功させるべく奮闘されている方たちのためにも、感染防止に努めることくらいしかできませんが、微力ながら私も応援していきたく思っています。

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