故事成語

今日のことわざ『覆水盆に返らず』の意味、由来、類義語、対義語、使い方、英語表現などをエピソード付きで徹底解説!

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雨上がり決死隊の解散から、ことわざを学ぼう!

19年6月に発覚した宮迫博之氏の闇営業問題以来、コンビでの活動を休止していたお笑いコンビ、雨上がり決死隊ですが、2021年8月17日、『アメトーーク 特別編』として生配信を行い、コンビの解散を発表しました。

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闇営業問題をきっかけに長年所属していた吉本興業との契約を解除し、地上波から離れてユーチューブに主戦場を移していた宮迫氏は、ユーチューブ内でも度々コンビの復活を願う発言をされていましたので、突然の解散発表に驚いた方も多いのではないでしょうか。

配信では、コンビ復活への想いが強い宮迫氏とは対照的に、蛍原氏はすでに腹を括って、すっきりしたように見えたのが印象的でした。

ゲスト出演した芸人仲間たちからの質問により、解散に至るまでの経緯が明かされていきましたが、休止中の活動に対するコミュニケーション不足が最大の原因だったようです。

年々過激になるマスコミの報道にコロナ禍も重なり、なかなか直接目を見て話す機会に恵まれなかったことも要因の一つでしょう。

酒でも酌み交わして腹を割って話せば、もっと違う結果になったのかもしれません。

宮迫氏は最後の最後までコンビ復活を熱望していましたが、すでに覚悟を決めた蛍原氏を見ていると、なかなか難しいように感じました。

配信内でもコンビ関係を夫婦にたとえる場面がありましたが、まさに『覆水盆に返らず』というやつでしょうか。

というわけで今日のことわざは・・・

今日のことわざ『覆水盆に返らず』

今日のことわざ
 

覆水盆に返らず(ふくすいぼんにかえらず)

意味 ・・・ 一度やってしまったことは、取り返しがつかないということ。また、一度離婚した夫婦の仲は、元には戻らないということのたとえ。 

『覆水盆に返らず』の意味、由来

まず、『覆水』とは、入れ物がひっくり返ってこぼれた水のことで、『盆』とは、お皿などを並べるお盆(トレー)ではなく、底が浅めの素焼きの容器を指しています。

つまり、『覆水盆に返らず』とは、

一度こぼれた水は二度と盆の上に戻ることはないということから、一度やってしまったことは、取り返しがつかないということ。また、一度離婚した夫婦の仲は、元には戻らないということのたとえ。

という意味になります。

そして、この表現は、中国の後秦の王嘉がまとめた志怪小説集『拾遺記(しゅういき)』にある逸話に由来しています。

 

志怪(しかい) ・・・ 怪異に関する話を記録した短編小説類。

『拾遺記(しゅういき)』 ・・・ 古代から東晋に及ぶ中国の伝説を集めた志怪小説集。

『拾遺記』に収められた逸話をかんたんに要約しますと・・・

中国古代、 殷の末期、呂尚(りょしょう)と馬氏(ばし)という夫婦がいました。

ですが、妻の馬氏は働きもせずに本を読んでばかりいる夫の呂尚に愛想をつかして実家に帰ってしまいます。

そして時は経ち時代は周に移りました。

呂尚は周王に、

『先君太公の望んでいた賢人(今は亡き父・太公が待ち望んでいた賢人)』だと見いだされ、太公望と呼ばれるほどの大出世を果たしました。

その話を聞きつけた元妻の馬氏は手の平を返したかのように、呂尚に復縁を迫ったのです。

しかし、呂尚は馬氏の前で盆の水をこぼして、

『この水を元に戻すことができれば、復縁に応じよう』

と言いました。

馬氏は何度もこぼれた水をすくって盆に戻そうとしますが、全くできません。

呂尚その様子を見て、

『一度こぼれた水は二度と盆の上に戻ることはない。それと同じように、私とお前との間も元に戻ることはありえない』

と言って復縁の申し出を断ったのでした。

この逸話から、『覆水盆に返らず』とは、

一度離婚した夫婦の仲は、元には戻らないということのたとえ。それが転じて、一度やってしまったことは、取り返しがつかないということ。

という意味の故事成語になったのです。

また、漢字四文字で『覆水不返(ふくすいふへん)』と表すこともできます。

『覆水盆に返らず』の類義語、対義語

類義語
 

落花枝に返らず、破鏡再び照らさず(らっかえだにかえらず、はきょうふたたびてらさず)

意味 ・・・ 一度離婚した夫婦は、再び元に戻ることはないというたとえ。また、一度損なわれたものや、死んでしまったものは二度と元に戻らないというたとえ。

後悔先に立たず(こうかいさきにたたず)

意味 ・・・ すでに終わったことを、いくら後になって悔やんでも取り返しがつかないということ。

対義語
 

元の鞘に収まる(もとのさやにおさまる)

意味 ・・・ 離婚した夫婦やけんかをしていた二人が、仲直りをして以前と同じ関係に戻ることのたとえ。

こんな場面で使おう!『覆水盆に返らず』を使た例文

例文
 

・父と母は離婚してからも月に一度は顔を合わせていて、けんかばかりしていた離婚前よりずっと仲良さそうに見えるが、覆水盆に返らずで、お互いに復縁する気はないようだ。

・ついに彼女に愛想をつかれて別れを切り出されてしまった。土下座までして誠心誠意謝ったつもりだが、覆水盆に返らず、聞く耳など持ってもらえなかった。

・生活費を競馬で使ってしまい家賃が払えなくなってしまった。いくら悔やんでも覆水盆に返らずでお金は返ってこない。

・私がリストラの対象者になってしまったのは、長年に渡る怠慢な勤務態度が原因だろう。これからの人生は覆水盆に返らずと肝に銘じて生きていかなければならない。

・酔っ払った勢いで彼女にひどいことを言ってしまい、口もきいてもらえなくなった。もはや覆水盆に返らずと諦めるしかなさそうだ。

・私の不注意で営業での見込み客のデータを消去してしまった。今月こそはノルマを達成できるはずだったのに、まさに覆水盆に返らずだ。

『覆水盆に返らず』を英語で表現すると?

比喩的な表現では、

It is no use crying over spilt milk.

(こぼれたミルクを嘆いても仕方がない)

直接的な言い回しでは、

Things done cannot be undone.

(一度なされた事は元に戻せない)

このように表せます。

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まとめ

人生いつからでもやり直しきく。
一度や二度の失敗でめげてはいけない。

など、失敗や過ちを犯した者への激励の言葉は多くあります。

ことわざにも、

失敗は成功のもと、怪我の功名、災い転じて福となす、七転び八起き、他山の石など多くあります。

ですが、人生にはとり返しのつかない失敗や過ちもあります

覆水盆に返らず・・・。

肝に銘じておくべきことわざのひとつですね。

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