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今日のことわざ『ルビコン川を渡る』の意味、由来、類義語、対義語、使い方、英語表現などをエピソード付きで徹底解説!

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開催まで一か月を切った東京オリンピック・パラリンピックから、ことわざを学ぼう!

2011年6月末現在、東京オリンピック開催まで1か月を切っています。

入国してきたウガンダ選手団のなかから感染者が判明したり、都心部での感染者のぶり返しなど問題は山積みのようですが、『賽は投げられた』と開催への覚悟を決めて走り出しています。

そこで、先日『賽は投げられた』という表現について記事に続いて、

今回は古代ローマの政治家、将軍・ガイウス・ユリウス・カエサルが『賽は投げられた』と発した場面で生まれたもう一つのことわざについて深堀りしていきたいと思います。

というわけで今日のことわざは・・・

今日のことわざ『ルビコン川を渡る』

今日のことわざ
 

ルビコン川を渡る(るびこんがわをわたる)

意味 ・・・ 後戻りはできないという覚悟のもと、重大な決断や行動を起こすことのたとえ。

ルビコン川とは?

まず、ルビコン川とは、イタリア北部のアペニン山脈に源を発し、西から東へ流れ、アドリア海に注いでいく川で、全長30キロメートル弱、川幅は狭いところで1メートル、広いところでも5メートル程度と、歴史的な知名度のわりには極めて小さな川になります。

※ルビコン川の正確な位置には、諸説あるようです。

世界的に有名な河川である、ナイル川、アマゾン川、黄河、長江などが、5000㎞以上の長さ、川幅においても最大数百㎞を誇り、日本で最長の信濃川でも、376㎞の長さであることを考えれば、いかに小さな川であるかわかるでしょう。

ですが、それほどに小さなルビコン川は、世界の大河川に負けない知名度を誇っているのは、どういうことでしょうか?

その秘密は、古代ローマ時代までささかのぼります。

『ルビコン川を渡る』の意味、由来

紀元前49年、ガリア属州総督を務めていたカエサルに、かつての盟友だが、今や敵対する間柄となったポンペイウスの手引きによって、カエサルのガリア属州総督解任および本国召還を命じる『セナトゥス・コンスルトゥム・ウルティムム(元老院最終決議)』が発布されました。

イタリア本土から始まり、世界史上類まれな領土を誇ったローマ帝国ですが、帝国の中枢を担うイタリア本国に軍隊を率いて入ることは反逆、または宣戦布告と見なされ、法で厳しく禁じられていました。

そして、その本国と属国との境界線として定められていたのが、ルビコン川でした。

本来ならば、軍を解散してルビコン川を渡り、イタリア本国を目指す必要があるのですが、この時、カエサルには法に則って帰れない理由があったのです。

ローマにではポンペイウスがカエサルを待ち構えており、そこに単身乗り込むことは自殺行為に等しいことでした。

そこでカエサルは、

「ここを渡れば人間世界の破滅、渡らなければ私の破滅。神々の待つところ、我々を侮辱した敵の待つところへ進もう、賽は投げられた」

と兵士たちに向けて檄を飛ばして、ルビコン川を渡り、本国に進軍したのでした。

この逸話から、『ルビコン川を渡る』という表現が生まれました。

カエサルは、

ここを渡れば人間世界の破滅、渡らなければ私の破滅。 

と一大決心して、軍隊を率いてルビコン川を渡って本国に入ったのです。

このカエサルの決意、覚悟から、『ルビコン川を渡る』とは、

後戻りはできないという覚悟のもと、重大な決断や行動を起こすことのたとえ。

という意味として使われるようになりました。

『ルビコン川を渡る』の類義語、対義語

類義語
 

背水の陣(はいすいのじん)

意味 ・・・ 一歩も退くことのできない絶体絶命の立場でことにあたること。

清水の舞台から飛び降りる(きよみずのぶたいからとびおりる)

意味 ・・・ 一大決心をして思い切って事をなすこと。

対義語
 

石橋を叩いて渡る(いしばしをたたいてわたる)

意味 ・・・ 用心深く、慎重に物事を行うことのたとえ。

転ばぬ先の杖(ころばぬさきのつえ)

意味 ・・・ 失敗しないように、前もって用心しておくことのたとえ。

正確な対義語としては微妙ですが、物事に臨む心構えとしてのニュアンスを踏まえて対義語として挙げておきます。

こんな場面で使おう!『ルビコン川を渡る』を使った例文

例文
 

ルビコン川を渡った我々にとって、恐れるものなどない。

・彼はルビコン川を渡る覚悟で、滑り止めで合格した大学に入学金を納めなかった

ルビコン川を渡ったからには、もう後戻りはできない。自分を信じて突き進むだけだ。

・コロナ禍を乗り越えるために新規事業に乗り出した社長の決断は、ルビコン川を渡るごときものだった。

・勝算は薄いだろうが、それを理解したうえでルビコン川を渡る覚悟を決めた彼を止めることはできなかった。

『ルビコン川を渡る』を英語で表現すると?

英語では比喩的表現でシンプルに、

Cross the Rubicon.

となります。

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まとめ

私たちは生きていくうえで数々の選択、決断をしなければなりません。

時には、『賽は投げられた』、『ルビコン川を渡る』といったように、退路を断って、背水の陣で臨まなければならないこともあるでしょう。

ルビコン川を渡る・・・

そんな時のために、しっかり頭の中に入れておきたいことわざですね。

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