四字熟語

今日のことわざ『美辞麗句』の意味、由来、類義語、対義語、使い方、英語表現などをエピソード付きで徹底解説!

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岸田文雄新首相の所信表明への反応から、ことわざを学ぼう!

岸田文雄新首相が、2021年10/8日、衆参両院本会議で所信表明演説を行いました。

個人的な意見としては、飛び交うヤジのなか堂々とした立派な所信表明だったと思うのですが・・・

立憲民主党の枝野幸男代表は、

「美辞麗句を並べるだけで、具体的にどうするのかという中身がなかった。圧倒的に私たちの方が具体策を持っていると改めて確信と自信を持った」

と痛烈に批判したと報じられていました。

確かにきれいごとと受け取られるような抽象的な表現が多くありましたが、所信表明という限られた時間のなかで、具体案まで長々と話すわけにもいかないでしょう。

さすが上げ足の取り合いが上手い政治家といったところでしょうか・・・。

というわけで今日のことわざは・・・

今日のことわざ『美辞麗句』

今日のことわざ
 

美辞麗句(びじれいく)

意味 ・・・ うわべだけ美しく飾り立てたことば。中身が乏しく真実味のない言葉や文句。

『美辞麗句』の意味、由来

まず、『美辞』とは、『辞』一文字で、『言葉』という意味がありますので、『美しい言葉』という意味になります。

(お祝いの言葉)、弔(とむらい、お悔やみの言葉)、謝(感謝、謝罪の言葉)、告(あらたまって告げ知らせる言葉)訓(導き、戒める言葉)、式(儀式、式典の席で述べる挨拶の言葉)など、多くの場面で使われていますね。

そして、『麗句』とは、『麗』が、訓読みでは『麗(うるわ)しい』と読まれるように、美しい文句。美しく飾った詩的な文句。という意味になります。

このことから、そのまま解釈すると、美しく飾り立てた言葉や文句。という意味になりそうなものですが、ここでは風刺や皮肉が込められており、『美辞麗句』とは、

うわべだけ美しく飾り立てたことば。中身が乏しく真実味のない言葉や文句。

という意味になります。

同じような意味合いの言葉(美辞と麗句)を重ねて強調するという、四字熟語によく見られる表現ですね。

このような四字熟語は、

創意工夫、清廉潔白、四苦八苦、孤立無援、公明正大、右往左往、相思相愛、全知全能 

など、多くあります。

また、由来は明確ではないのですが、『美辞』という言葉については、三国志の英雄の一人、魏の曹操の息子(五男)である曹植が記した『曹植 辯道論 ( べんどうろん )』にある一節、

温顔以誘之、美辞以導之

温顔を以て之を誘い、美辞を以て之を導く

現代語訳:穏やかな顔で誘いかけて、美しい言葉で導く。

に由来するとされています。

曹植は、文才に長け、度量が大きく、小さな物事に拘らない自由奔放な天才肌の貴公子だったそうです。

また、礼法に捉われず、派手な振る舞いを嫌い、酒をこよなく愛したと伝えられています。

そんな彼らしい表現ですね。

ですが、美辞麗句という漢字四文字の表現は中国にはなく、後に日本で『美辞』と『麗句』を重ね合わせて作られた表現だと考えられます。

『美辞麗句』の類義語、対義語

類義語
 

社交辞令(しゃこうじれい)

意味 ・・・ うまく付き合っていくために使われる、褒め言葉やあいさつ。

外交辞令(がいこうじれい)

意味 ・・・ 外交上に使う感じのいい言葉。転じて、口先だけで中身のない、心のこもっていない言葉。

対義語
 

対義語としては強引ですが・・・

歯に衣着せぬ(はにきぬきせぬ)

意味 ・・・ 相手の気持ちを気にせずに、思ったとおりにはっきり言うこと。

こちらの二つは、言葉よりも態度や様子を表す表現ですが・・・

質実剛健(しつじつごうけん)

意味 ・・・ 飾り気がなく、力強くしっかりしていること。

剛毅木訥(ごうきぼくとつ)

意味 ・・・ 心が強く、しっかりしていて飾り気がない様子。

こんな場面で使おう!『美辞麗句』を使った例文

例文
 

・競争の激しい現代社会では、美辞麗句を連ねた営業トークでは契約までこぎつけることはできない。

・当選したい一心で美辞麗句で飾り立てただけの政見放送なんて、見ようとも思わない。

・長い間、恋愛禁止の人気アイドルグループのセンターを務めた彼女がグループを卒業して以来、多くの業界人が美辞麗句を並べ立てて彼女を口説きにかかっているらしい。

・どんなにいいことを言っていても美辞麗句を並べるだけでは、薄っぺらく聞こえてしまうものだ。

美辞麗句ばかりの告白よりも、口下手な彼のぎこちない言葉の方が私の心にはずっと響くものがあった。

『美辞麗句』を英語で表現すると?

英語では、これらのように表現できます。

flowery words

rhetorical flourishes

rhetorical ・・・ 修辞的な(言葉を有効に使って、うまく美しく表現されたような)

flourishe ・・・ 名詞として、これ見よがしの態度、見せびらかし

英文にすると・・・

His speech fulled of flowery words.

・彼のスピーチは美辞麗句に溢れていた。

と表せます。

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まとめ

どんなにいいことを言っても、飾り立てた言葉だけでは薄っぺらく聞こえてしまい、人の心に響かないことは多くあります。

自分の言葉で気持ちを込めてと言われても、これはこれで簡単なことではありません。

人の心を掴むというのは難しいものですね・・・。

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