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先日、全英オープン制覇という快挙を成し遂げ、現在注目を浴びている プロゴルファー、渋野日向子さん ですが・・・
そのゴルフの腕前、天真爛漫な人柄だけでなく、『あるもの』も注目を集めていますよね。
日本中の駄菓子屋から姿を消したという『あるもの』とは・・・
タラタラしてんじゃねーよ
海外メジャー制覇という大偉業へのプレッシャーなどものともせず、ラウンド中に美味しそうに齧っていた『タラタラしてんじゃねーよ』です。
この駄菓子の名前の『タラタラ』とは、主原料である魚の『タラ』に由来しているとご存知でしたか?
タラとは、タラ目タラ科のうちタラ亜科に所属する魚類の総称で、淡白な白身魚で癖がなく、主に鍋物の具や白身魚のフライとして食されます。
また、蒲鉾や魚肉ソーセージなどの練り物製品としても加工されています。
定番のおつまみ、チータラは、
チーズを薄いく棒状に引き伸ばしたタラでチーズを挟んだものなのです。
また、タラの内臓(胃など)を唐辛子漬けにして塩辛にしたものは「チャンジャ」と呼ばれ、今では居酒屋の定番メニューにもなっています。
『タラ』は漢字で書くと『鱈』となり、 一説では、初雪後あたりから獲れ出すことに由来するそうです。
また、 大きな口を開けて他の生物を捕食する という貪欲さから、『たらふく食べる』の『たらふく』という言葉は、『鱈』が語源になっているという説もあります。
というわけで、今日のことわざは、『鱈』にちなんで・・・
今日のことわざ 『京の生鱈』
京の生鱈(きょうのなまだら)
意味 ・・・ 珍しいもののたとえ。
『京の生鱈』の意味、由来
『京』とは、現在の京都のことで、生鱈とは、生の鱈、実にそのままなのですが、このことわざは、京都の地形や鱈という魚の特性に大いにかかわる、奥深い表現になります。
まず、現代の京都府として考えると一部は海に面してはいますが、かつて都があった中心部は山に囲まれた盆地のため、昔は新鮮な生の魚がなかなか手に入りませんでした。
さらには、鱈は鮮度の落ちが早く、古くなると独特のにおいを発するため、刺身等の生食は、水揚げされる漁港周辺などに限定されており、京都では口にすることはできませんでした。
これらのことから、『今日の生鱈』とは、『珍しいもの』のたとえとして使われるようになったのです。
類義語 対義語
前代未聞(ぜんだいみもん)
意味 ・・・ 今まで聞いたことがない、非常に珍しいこと。
日常茶飯事(にちじょうさはんじ)
意味 ・・・ お茶を飲んだり、ご飯を食べたりするような、日常生活に密着した、特にめずらしくもないもの、ごくありふれたもののこと。
雨の降る日は天気が悪い(あめのふるひはてんきがわるい)
意味 ・・・ 当たり前、当然だということ。
犬が西向きゃ尾は東(いぬがにしむきゃおはひがし)
意味 ・・・ 至極当然だということ。
毎度のことで、少し強引な解釈ですが、参考までに・・・
こんな場面で使おう 例文
・ハウス栽培が盛んになってからというもの、京の生鱈と呼べるような果物は少なくなってきている。
・スニーカーマニアの彼の家には、京の生鱈のようなお宝がたくさんある。
・この暑い時期に生牡蠣とは、京の生鱈である。
英語での表現は・・・
uncommon、rare、unusual、out-of-the-way、quaint
など、『珍しい』という形容詞はたくさんありますが、『京の生鱈』に近いのは、『なかなかお目にかかれないもの』という観点から、rare が最も近い表現になりますね。
まとめ
今日のことわざ、『京の生鱈』のように、都市の地形や食物の特性など、ことわざから学べることが多いということがわかりますね。
ことわざは、覚えて、使うだけでなく、由来を知ることで多くの歴史を学び、情報を得ることができる素晴らしい言葉の遺産です。
これからもことわざと同時に多くの有益な知識を身に付けていきましょう!