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安倍晋三首相とトランプ米大統領は25日、フランス南西部ビアリッツで首脳会談を行った約3時間後、日米貿易協定の基本合意に達したと突然発表がありましたね。
この共同記者発表は急遽設定され、首相同行記者が不在のまま実施されたとのことでした。
本来は首脳会談後、茂木敏充経済再生担当相が貿易交渉に関する結果を日本側記者団に説明する段取りだったはずが、米国側が、
「良い話なので共同発表をやりたい」
と提案し、大統領同行記者しかいない中で共同発表が強行されたそうですね。
では、今日は、そんな米国側の心情を『ことわざ』で表してみましょう・・・
今日のことわざ『 善は急げ 』
善は急げ(ぜんはいそげ)
意味 ・・・ 良いと思ったことは、いますぐにでもやった方が良いということ。
解説
『善』とは、『善行』、つまり、『善い(良い)行い』という意味です。
すなわち、良いと思ったら、すぐに(急いで)実行するべきであるという意味です。
さらには、良いと思ったらすぐに行動しないと、せっかくの好機を逃してしまうという教訓も含んだニュアンスのことわざです。
本来は、続きがあったようで・・・
「善は急げ悪は延べよ(ぜんはいそげあくはのべよ)」と 言っていたものが短縮され、今の言い回しになったと言われています。
「悪は延べよ」とは、悪いことは後回しにしておけば、そのうち、やらずに済む(わざわざする必要がなくなる)かもしれないという意味になります。
たとえば、あなたはダイエット中だとします。
お腹を空かして仕事をしていると、何度も足を運んで、やっと契約にこじつけそうな感じの顧客から、会って話がしたいと連絡がありました。
お腹ペコペコのあなたは、腹が減っては戦はできぬと、何か食べようか迷ってしまいます。
ここで、『善』は、契約に結び付きそうな顧客に会いに行くことですね。
対して『悪』は、ダイエット中に食べてしまうことです。
つまり、
相手の気持ちが変わらないうちに、すぐに会いに行くことが、『善は急げ』
食べずに我慢する(先延ばしにする)ことが、『悪は延べよ』
ということになります。
食べること(悪)を先延ばしにして、お客さんに会いにいくことで、空腹を感じなくなったり、忘れたりして、食べなくて済むかもしれませんからね。
『延べる』の『延』は、『延長、延期』などで使われる漢字ですから、『先延ばしにする、後回しにする』といった雰囲気が漢字から読み取れますね。
このようなことわざって、意外と多くて、次のようなものも、短くなって浸透している表現です。
井の中の蛙大海を知らず されど空の青さ(深さ)を知る
早起きは三文の徳 長起きは三百の損
男は度胸、女は愛嬌、坊主はお経
などが、あります。
類義語 対義語
類義語
鉄は熱いうちに打て(てつはあついうちにうて)
意味 ・・・ 若いうちに鍛えることが大切だということ。時期を逃してはいけないということ。
思い立ったが吉日(おもいたったがきちじつ)
意味 ・・・ 何かをしようと思い立ったら、その日がよい日と思って、すぐに取り掛かるのが良いという教え。
先んずれば人を制す(さきんずればひとをせいす)
意味 ・・・先手を取れば、相手を抑え、優位に立つことができるということ。
旨い物は宵に食え(うまいものはよいにくえ)
意味 ・・・ 良いことは早くやるのが良いというたとえ。
対義語
急いては事を仕損じる(せいてはことをしそんじる)
意味 ・・・ 急いですると失敗しやすくなるので、慎重にしたほうがいいということ。
待てば海路の日和あり(まてばかいろのひよりあり)
意味 ・・・ 焦らずに待っていれば、チャンスがやってくるということ。
対義語としては、急ぐことから生じる危険、慎重に行動に移すことの大切さについてのことわざが挙げられますね。
いずれも大切な心構えですが。、
このように、『タイミング』と行動に移すスピードについての表現が類義語として挙がり、
対義語としては、急ぐことから生じる危険、慎重に行動に移すことの大切さについてのことわざが挙げられますね。
どちらも重要な心構えですから、しっかり覚えておきましょうね♪
こんな場面で使おう 例文
例文 ネットショッピングで海外から取り寄せたスパイスが届いたので、善は急げで、晩御飯はカレーにしよう。
例文 自分のバッティングの動画を見ていると、フォームの崩れを見つけたので、善は急げで、公園に行って素振りをしてみた。
例文 ガソリンスタンドに燃料の補給に行ったら、ちょうどオイル交換のキャンペーンをやっていたので、善は急げでオイル交換をしてもらった。
例文 いいメロディーが突然浮かんだらしく、ミュージシャンの彼は、善は急げとばかりにスマホに鼻歌を録音していた。
例文 俺のことをかっこいいと言っている後輩の女の子がいるとクラスメイトから聞いたので、善は急げで、すぐに紹介してもらうことにした。
英語での表現は・・・
Make hay while the sun shines.
hay ・・・ 干し草
make hay ・・・ 干し草を作る
直訳すると、
日の当たっているうちに干し草を作れ。
となりますね。
日が照っていないと、当然干し草は作れませんよね。転じて、『好機を逃すな』という表現として使われます。
また、同義語として挙げた、『鉄は熱いうちに打て』を英語で表すと、
Strike while iron is hot.
となります。
まとめ
私たちは、日々の生活の中で、大小はありますが、たくさんの決断に迫られながら生きていると言えます。
善は急いだ方がいい時もあるでしょうし、急いだ結果、事を仕損じる時もあるでしょう。
ことわざが伝えてくれる多くの教訓のもと、最良の判断ができればいいのですが、そんなに簡単にいかないのもですよね。
まあ、それも人生です。
前向きに生きましょう♪