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固定資産税からことわざを学ぼう!
3月、4月は何かと物入りな時期ですよね。
卒業、入学などのお祝い事が多いですし、
今年(2021年)については新型コロナウィルスの問題がありますので機会はないでしょうが、例年では歓送迎会やお花見などもあり交際費も嵩みます。
さらには自動車税、固定資産税の通知書も届き、テンションは下がる一方ですね。
自動車税については、減税対象車種があったり、排気量の小さい車を選んだりすることで節税が可能ですが、
固定資産税に関してはなかなか難しいものです。
親から譲り受けたものにも課税されますし、空き家のまま所有していると税率は大幅にアップしてしまいます。
売りに出したところで、かんたんに売れるものではありませんしね・・・。
何か良い節税対策はないものでしょうか。
昔はあったんですよね。
固定資産税を安くする方法が・・・。
というわけで今日のことわざは・・・。
今日のことわざ『鰻の寝床』
鰻の寝床(うなぎのねどこ)
意味 ・・・ 正面から見ると狭くて小さいが、奥行きの深い家のたとえ。
『鰻の寝床』の意味、由来
『鰻の寝床』とは、鰻の生態から生まれた表現になります。
細く長い身体を持つ鰻は、川底の泥の中や岩の隙間のような細くて長い場所を好んで住処とし、夜行性のため、昼間はそこを寝床にして眠っています。
また、ペットとして飼育される水槽の中や、水族館などの人口的な場所では、鰻の身体に合った筒状のものを置いておけば、その穴の中を住処とします。
ちょうど人間が寝袋に入っているような状態ですね。
このように、自分の身体に合った細く長い空間を寝床とする鰻の生態から、
『鰻の寝床』とは、正面から見ると狭くて小さいが、奥行きの深い家のたとえとして使われるようになりました。
また、鰻の寝床とは、京都の古民家などに多く見られる形状としても有名ですが、これについては歴史的な背景が存在します。
江戸時代には、農民に課せられる年貢以外に、町人に課せられる『間口税』という税金が存在しました。
現代でいうところの『固定資産税』のようなものです。
固定資産税とは、住宅やマンション、土地などの不動産を所有する人に課せられる税金で、建物の価値や立地条件、土地の面積によって金額が決まります。
ですが、『間口税』は、土地、建物の価値ではなく、その名の通り、家の間口の大きさに対して課税されました。
そのため、少しでも税金を少なくするために(節税)、あえて間口を狭くして、そのぶん奥行きの深い形状の、『鰻の寝床』のような家が各地に多く建てられたのでした。
現代では京都の街並みの象徴といったイメージが定着していますが、京都に多く見られる理由としては、戦争中の空襲や甚大な自然災害での被害が少なかったために、古くからの建物が現存していることが最大の理由と言えるでしょう。
『鰻の寝床』の類義語、対義語
槍持ちの雪隠(やりもちのせっちん)
意味 ・・・ 槍持ちが槍を持ったまま入れる雪隠(便所)ということから、細長い家屋のこと。
槍持ち ・・・ 武士が外出するとき、その槍を持って従った者。
対義語としては・・・
適切な対義表現が見つかりませんでした。
何か見つかれば、追記致します。
こんな場面で使おう!『鰻の寝床』を使った例文
・細長いカウンター席だけの鰻の寝床のように狭い物件だが、ついに長年の夢だった自分の店を持つことができた。
・古くからある商店街には、少しでも多くの店がメイン通りに面して店を構えられるように、鰻の寝床のような建物が多くあるそうだ。
・先輩に連れられて行ったバーは、トイレに行くのにも一苦労するような鰻の寝床のような店だったが、とても居心地がよかった。
・たとえ鰻の寝床のようであっても、やはり自分の部屋が一番落ち着くものだ。
・わずかの職員で多数の受刑者を監視しなければならない刑務所では、独房が鰻の寝床のように並んでいる。
『鰻の寝床』を英語で表現すると?
日本独特の文化であるため、英語での比喩的な表現はなく、
long narrow house
と表す他なさそうです。
まとめ
尊い寺は門から知れる(たっといてらはもんからしれる)ということわざがあるように、
尊い寺は門から知れる(たっといてらはもんからしれる)
意味 ・・・ 山門を見ただけで、寺の格式の高さがわかるということから、尊いものは外見から察せられるというたとえ。
家、建物の『顔』となる『門』は、古くから重要視されてきました。
現代でも、『堂々たる門構え』『立派な門構え』など、『門』つまり『間口』は、風格や格式を表します。
そこに目を付けて税金を巻き上げようなんて、なかなかの知恵者がいたものですね。
まぁ、そんな話はさておき、税金は早めに納付しておきましょうね。