慣用句

今日のことわざ『年貢の納め時』の意味、由来、語源、類義語、対義語、使い方、英語表現などをエピソード付きで解説!

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女性軽視と受け取られる発言で、各方面から非難が集まっていた東京オリンピック・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長が、

「大会がいいものになってほしい。それに向けてしっかりと準備していかないといけない

と辞意を表明されました。

森氏は政治家としては内閣総理大臣まで務め、その後はラグビーワールドカップの招致を牽引して大成功を収めるなど、華々しい功績を上げる傍ら、

度重なる失言で非難を浴びることも幾度となくありました。

自身もラガーマンとして活躍していたことが納得できるようなたくましい体つきで血色も良好のようですが、もう83歳という高齢で、肺がんを患っているといいます。

残念ながら、有終の美を飾ることはできませんでしたが、森氏の素晴らしい功績は歴史に残るものでしょう。

そろそろ『年貢の納め時』ということで、辞意を固めたのかもしれませんね。

というわけで、今日のことわざは・・・

今日のことわざ『年貢の納め時』

今日のことわざ
 

年貢の納め時(ねんぐのおさめどき)

意味 ・・・ 悪事を働き続けてきた者がとらえられて罪に服す時。また、続けてきた物事をあきらめなくてはならない時。

『年貢の納め時』の意味、語源、由来

年貢とは、

現在の税金のようなもので、時代や地域にもよりますが、おなどの食料やお金などを大名、領主、地主に納めることをいいます。

漢字の成り立ちから考えると、

『年』には、一年、二年のような時間の単位だけでなく、穀物の実り という意味もあります。

そして、『貢』とは、

貢ぐ(みつぐ)という動詞があるように、貢物という意味があり、これらが『年貢』という漢字の語源になります。

現代で、税金を納めなかったら(脱税したら)罰せられるように、昔も年貢を納めなければ、捕えられて罰を受けなければなりませんでした。

年貢が納められなければ、自分たちの食料を犠牲にしてまで納めるか、罰を受けることになります。

そのことから、年貢の納め時とは、

年貢の滞納を悪事に、

罰を受けることを悪事を清算すること

にたとえて、長い間悪事をはたらき続けてきた者が、ついに捕えられて罪に服さなければならないこと、それが転じて、

悪事に限らず、ある物事に見切りをつけて、諦めなければならないときのことという意味になりました。

『年貢の納め時』の類義語、対義語

申し訳ありませんが、適切な類義語、対義語の表現が思いつきませんでした。

何かあれば、追記致します。

類義語としてニュアンス的に近い表現としては、

 

腹を括る(はらをくくる)

意味 ・・・ 決心を固める。覚悟を決める。

万事休す(ばんじきゅうす)

意味 ・・・ どうすることもできなくなり、全てが終わること。

 

を挙げておきます。

 

こんな場面で使おう!『年貢の納め時』を使った例文

観念しなければならない時や、先延ばしにしてきたことに対して、見切りや、けじめをつける時に使われるます。

例文
 

・先日逮捕された犯人は、悪事を働き続けながら逃亡生活を送っていたが、そんな生活に疲れ、年貢の納め時だと悟って、出頭したそうだ。

・彼女の妊娠を知らされた私は、本心ではまだまだ遊んでいたかったが、ついに年貢の納め時が来たのだと、結婚を決意した。

度重なる怪我で、若い頃のようなプレーができなくなった彼は、そろそろ年貢の納め時かと、現役引退を決めた。

転売についての規制がどんどん厳しくなってきた今、コンサートやスポーツ観戦のチケットの転売で荒稼ぎしている人たちはの年貢の納め時が近づいてきている。

私は結婚願望などなかったが、弱った父に孫の顔が見たいと言われ、年貢の納め時かと思い、婚活を始めた。

 

『年貢の納め時』を英語で表現すると?

直接的な言い回しでは、

Your game is up.

It’s all over with you.

などがあり、比喩的な表現では、

Every fox must pay his own skin to the flayer.

(狐はみんな自分の皮を剥ぎ、人に与えなければならない)

このような表現があります。

flay ・・・  皮を剥ぐ(動詞)

flayer ・・・ 皮を剥ぐ人

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まとめ

志半ばで東京オリンピック・パラリンピック組織委員会会長を辞任することになった森喜朗氏ですが、この度の騒動で批判が集中するなか、森氏の人柄の良さや、並々ならぬ東京オリンピック・パラリンピックへの思い入れについても少なからず報じられていました。

森氏は、高齢で肺がんを患いながらも、幾度となく海外出張し、IOCとの関係構築に奮闘し、豊富な人脈を駆使して、競技施設建設費の節約にも大きく貢献されたそうです。

また、コロナウィルスの影響で延期が決定した時には、会長自らスポンサー企業を訪れ、国内の全てのスポンサー企業との協賛継続を取り付けられました。

確かに森氏の発言は非難に値するものに違いありませんが、彼の東京オリンピック・パラリンピックへの思い入れや功績は、讃えるべきものです。

騒動の渦中で、

「娘や孫、家族にまで迷惑をかけられない」

とも話していたそうですので、今後はいいおじいちゃんとして、今後を見守っていただきたいところですね。

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