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ウィルス侵入防止への水際対策から、ことわざを学ぼう!
2021年11月、コロナ終息の光が見え始めていた矢先、新たに変異して発生したより感染力が強いとされるオミクロン株が南アフリカで発見され、12月半ば現在、世界中に広まりつつあります。
水際対策の重要性が叫ばれ、日本でも海外からの入国者には検疫を行い、待期期間も設けるなどして、オミクロン株の侵入防止に力を入れていますが、やはり現状は厳しいようです。
※水際対策とは、水際(水面が陸地と接している所)で、伝染病や有害生物などの上陸を阻止するために、空港や港などで行われる、検疫や検査などの対策。
12/23現在、オミクロン株感染者は100人を超え、大阪では市中感染濃厚の感染者も発生しているようです。
肉眼では見えないような極めて微小なウィルスが相手ですので、無理もない話です。
『蟻の這い出る隙もない』ような水際対策とはいきませんよね。
楽しみにしてきたイベントが目白押しの年末年始ですが、ここでもうひと我慢、感染防止に努めながら、オミクロン株の感染力や症状、重症化率などの実体が明かされるのを待つしかなさそうですね。
というわけで今日のことわざは・・・
今日のことわざ『蟻の這い出る隙もない』
蟻の這い出る隙もない(ありのはいでるすきもない)
意味 ・・・ 蟻が這い出て逃げ出す隙間もないほど警戒が厳重なようす。
『蟻の這い出る隙もない』の意味、由来
一般的な蟻のイメージとしては、
・働き者
・集団で行動する
・甘いものが好き
・噛まれると意外と痛い
など色々あるでしょうが、やはり、蟻と言えば真っ先に『小さい』ということが浮かんでくるでしょう。
それは今も昔も変わりないようです。
このことから、『蟻の這い出る隙もない』とは、極めて小さくて地面を這って進む蟻ですら、出てくる(通り抜ける)隙間がないということ。
そこから転じて、
蟻が這い出て逃げ出す隙間もないほど警戒が厳重なようす。
という意味になります。
起源となるような出典はないようですが、このように古くから蟻をたとえに用いた表現は多くありますので、古くから使われていたものと推測します。
蟻の穴から堤も崩れる(ありのあなからつつみもくずれる)
意味 ・・・ ちょっとした油断や小さな欠陥がもとで、大きな失敗や損害を、引き起こすこともあるというたとえ。
蟻の歩み(ありのあゆみ)
意味 ・・・ 少しずつでも進んでいくこと。
甘い物に蟻がたかる(あまいものにありがたかる)
意味 ・・・ うまい儲け話があるところには、人が集まってくるということ。
蟻の熊野参り(ありのくまのまいり)
意味 ・・・ 蟻が行列をつくっている様子から、途切れることなく人が行き交うことをいう。
富士の山を蟻がせせる(ふじのやまをありがせせる)
意味 ・・・ 法外なことをするたとえ。力の差がありすぎて及びもつかないことをするたとえ。
『蟻の這い出る隙もない』の類義語、対義語
水も漏らさぬ(みずももらさぬ)
意味 ・・・ 一滴の水も漏れる隙間もないほどに、警備などが完全な様子。
八方破れ(はっぽうやぶれ)
意味 ・・・ 備えがなく、隙だらけであること。
こんな場面で使おう!『蟻の這い出る隙もない』を使った例文
・各国の首脳が宿泊するホテルは、蟻の這い出る隙もないほど厳重に警備されていた。
・会社の命運を決める会議は、蟻の這い出る隙もないような厳戒態勢で行われた。
・城の周りを敵軍に完全に包囲され、蟻の這い出る隙もなく、降伏するしか術はなかった。
・感染症患者は、蟻の這い出る隙もないほどに厳重に隔離されることになった。
・強盗犯が立てこもった銀行の周囲は、蟻の這い出る隙もないほどに機動隊が取り囲んでいた。
『蟻の這い出る隙もない』を英語で表現すると?
直接的な言い回しになりますが、英語ではこのように表せます。
An ant is unlikely to be gone out.
・蟻が這い出る隙もないようだった。
まとめ
蟻は全長約10㎜前後の小さな生き物ですが、ことわざや童話などにも多く登場するように、我々に多くのことを教えてくれます。
今頃は夏の間に頑張って蓄えた食料で、巣穴の中でクリスマスパーティーでもしているのでしょうかね。