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東京オリンピック、日本のお家芸・柔道の活躍と、古賀俊彦氏の想いから、ことわざを学ぼう!
2021年7/22 無事開幕した東京オリンピック・パラリンピックですが、7/24、25 には、日本のお家芸・柔道では、高藤直寿選手、渡名喜風南(となき ふうな)選手によるメダル奪取に始まり、
阿部一二三、詩兄妹による金メダルでこれ以上にない勢いがつきました。
今後の奮闘が大いに期待できますね。
振り返れば今から4か月前、日本柔道界のみならず、日本のスポーツ界に激震が走りました。
オリンピック金メダリストで現役引退後は指導者として多くの名選手を育ててきた『平成の三四郎・古賀稔彦氏』の訃報が報じられました。
古賀氏自身も、柔道家として、オリンピアンとして東京オリンピック・パラリンピックを楽しみにしておられたことでしょう。
もし、コロナ禍による延期がなければ、自国でのオリンピックを観戦できたと思えば残念ではありますが、きっと『草花の陰から』後輩たちの活躍を見守ってくれていることでしょう。
というわけで今日のことわざは・・・
今日のことわざ『草葉の陰』
草葉の陰(くさばのかげ)
意味 ・・・ あの世、お墓の下。
『草葉の陰』の意味、由来
まず、ここでの『草葉の陰』の『草葉』とは、文字通り草の葉、
『陰』についても、そのままに『日の当たらない場所』を指しています。
つまり、『草葉の陰』とは、草の葉によって陰になった場所のことを表しており、『お墓の下、あの世』という意味になります。
この表現を理解するために、ここで日本における埋葬の歴史についてかんたんに解説しておきます。
現代の日本では、人が亡くなると火葬した後、骨壺に入れた骨の一部を『〇〇家の墓』と彫られたお墓の下のスペースに納めるのが一般的ですが、このスタイルが定着したのは、明治時代以降と言われています。
それまでは、一部の権力者においては、古墳に代表されるように火葬してお墓を作っていたものの、
庶民の間では長きに渡って土葬が主流の埋葬法でした。
遺体を棺桶に入れて、主に山間部などに土葬していたとされています。
さて、ここからが『草葉の陰』の由来になります。
地面に穴を掘って埋葬してから、しばらくすると草が生えてきます。
それが成長していくと、遺体が埋められた場所は草の葉の陰になりますよね。
このことから、『草葉の陰』とは、
お墓の下、あの世。
を表す表現になったのです。
起源としては古く、室町時代末期に書かれた御伽草子や、狂言、説経などにも多く見られ、当時には浸透していたと考えられます。
『草葉の陰』の類義語、対義語
申し訳ありません。
単語としては、
類義語 ・・・ 冥土、黄泉、あの世、死後の世界、天国、極楽、地獄など
類義語 ・・・ 娑婆、俗世、現世など
ありますが、比喩表現としては、見当たりませんでした。
こんな場面で使おう!『草葉の陰』を使った例文
・いつでも優しかった祖母は、立派に成長した孫たちを草葉の陰から見守ってくれていることだろう。
・心配性だった母のことだから、いつでも草葉の陰から私のことを見守ってくれているに違いない。
・何代も続いた会社を潰してしまい、ご先祖様たちは草葉の陰で泣いているだろう。
・やっと独り立ちした私を見て、父も草葉の陰で微笑んでくれていることでしょう。
・草葉の陰から恩師が見てくれていると思うと、たとえ練習であろうと手を抜くことなどできない。
『草葉の陰』を英語で表現すると?
比喩的な表現ではありませんが、
in the grave
grave ・・・墓
heaven
hell
などと表せます。
まとめ
阿部一二三選手の準決勝での、豪快な一本勝ち!
平成の三四郎・古賀稔彦氏を彷彿させるかのような見事な背負い投げでした。
草葉の陰で後輩たちを精一杯応援し、持ち前の甘いマスクで微笑んでいるであろう古賀稔彦氏に改めて追悼の意を表して・・・。