目次
国内有数の真珠の産地である三重県において、真珠の養殖のために使われるアコヤ貝の大量死が発生していると報道されていましたね。
その数は現時点で200万個以上に上り、三重県内で養殖する総数の2割以上の被害だそうです。
また、同様の現象が、真珠の生産量全国1位の愛媛県と同2位の長崎県でも判明しているそうで、重大な被害が心配されています。(ちなみに、三重県の生産量は第三位)
そして、このアコヤ貝の大量死の最大の問題は、『原因がわからない』ということで、県知事からの発表によると、
『現在、国立研究開発法人水産研究・教育機構の増養殖研究所から協力を得ながら、原因の究明と技術的な防止策について調べている』そうです。
せめて、原因がわかっていれば、豊富な経験や知識を基に対策、改善などを行い、前に進むことが可能でしょうが、原因不明とは・・・
真珠養殖業に携わる方々は、気が気でない日々を送っておられることでしょう。
一日も早い、アコヤ貝大量死問題の原因解明、被害減少を祈っております。
そこで、今日のことわざは・・・
『今日のことわざ』気が気でない
気が気でない(きがきでない)
意味 ・・・ 気掛かりで気持ちが落ち着いていられないこと。
解説
ここでの『気』とは、『気持ち、心』を表してますので、意味にあるように、気掛かり、とか、心掛かり、心ここにあらずとも言い換えられますね。
また、『気が気でない』という表現は少し古く固い言い方でもあり、現在では、『気が気じゃない』と、口語表現的に使われる場面の方が多くなってきています。
ことわざ、慣用句の違い
また、今まで『今日のことわざ』で紹介してきた『ことわざ』の中には、今日の『気が気でない』のように、厳密に言えば『諺(ことわざ)』ではなく、『慣用句』として捉えられる表現もありましたね。
もし、寺田心君にばれてしまったら・・・
『BOOK OFF なのに本ねえじゃん!』
くらいの勢いで、
『ことわざ広場なのに、ことわざじゃねえじゃん!』
と大笑いされてしまいそうなですので、申しあげておきます。
ことわざ広場では、ことわざ、慣用句、四字熟語、故事成語などといった言葉の文化を、『言葉の技(ことばのわざ=ことわざ)』として、広く扱っています。
これで、寺田心君も納得してくれるでしょう♪
ここで一応、ことわざ、慣用句、四字熟語、故事成語の定義について、お話しておきます。
諺(ことわざ) ・・・ 昔から伝えられてきた人々の生活の知恵や、生きていくうえで大切な教え、皮肉や風刺などを含んだ短い文章。
例 礼に始まり礼に終わる
慣用句 ・・・ 2つ以上の単語が結びつき、それぞれの単語の本来の意味とは異なった1つの意味を表す言葉。
例 手に汗を握る
四字熟語 ・・・ 漢字4文字で形成された慣用表現。
例 一日千秋
故事成語 ・・・ 昔から語り継がれてきたことを基にしてできた教訓の言葉。
例 塞翁が馬
と、こんな感じになります。
類義語 対義語
類義語
浮足立つ(うきあしだつ)
意味 ・・・ 恐れや不安で落ち着きを失うこと。
足が地につかない(あしがちにつかない)
意味 ・・・ 気持ちが落ち着かないこと。
居ても立ってもいられない(いてもたってもいられない)
意味 ・・・ 心が落ち着かず、じっとしていられないこと。
このように、精神的な『不安』『心配』という言葉がキーワードとなる表現が類義語として挙げられます。
対義語
肝が据わる(きもがすわる)
意味 ・・・ 落ち着いていて、どんな場合にも動じないこと。
泰然自若(たいぜんじじゃく)
意味 ・・・ 広い心で、落ち着き動じないようす。
これらの表現は、その時の状況、気持ちというよりは、人柄、人の特徴を表す感じの表現ではありますが、使い方によっては反対の意味を表すこともできるということで、対義語として挙げておきます。
こんな場面で使おう 例文
例文 妻が倒れたと連絡があり、病院へ行くまでは気が気でなかったが、病室で元気そうな妻の顔を見て、それまでの不安が吹き飛んだ。
例文 大学の入学試験の自己採点の結果が、去年の合格ボーダーギリギリの点数だったので、合格発表まで気が気でなかった。
例文 毎日来ていた彼女からのラインが昨日から突然来なくなったため、昨日からのぼくは何をしていても気が気でない。
例文 先日、オークションで高いバッグを落札したのだが、お金を振り込んだ後になって、出品者との連絡が取れなくなてしまい、ちゃんと商品が届くのか、気が気でない。
例文 秘かに思いを寄せていた経理部の彼女が、俺の大嫌いな先輩と二人で三泊もする出張に行っていると思うと、気が気でない。
英語でも表現は・・・
『気が気でない』というような、不安、心配を表すには、和製英語にもなっている、『nervous』(ナーバス)という表現がぴったりですね。
be nervous with ~ be nervous about ~
として、『~が気になる、~が不安、心配である』などと使いましょう。
まとめ
養殖によって真珠を育てることは、非常に手間も時間も要する大変な仕事だと言います。
わずか1㎜程度の稚貝から育て始め、数年掛けて装飾品として使用できるほどの真珠にまで育つそうです。
真珠の輝きは、真珠業者さんたちの汗と苦労の輝きなのかもしれません。
一日も早い、原因の解明、解決をお祈りしています・・・