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田中邦衛さんを偲んで、名作ドラマ『北の国から』の名場面、名台詞からことわざを学ぼう!
先日、俳優の田中邦衛さんの訃報が報じられました。
ここ数年の間に相次ぐ、昭和、平成を駆け抜けた大物俳優の訃報に、胸を痛めた方も多いことでしょう。
田中邦衛さんと言えば、まず思い浮かぶのは『北の国から』での好演でしょう。
北海道の大自然を舞台にした親子のドラマは、多くの日本人の心を打ち、ロケ地となった富良野市は有数の観光地にもなりました。
また、数々の名シーン、名台詞を生み出しました。
そこで、今日は数ある北の国からシリーズにおいても、三本の指に入るであろう名言を振り返ってみましょう。
北海道に移り住んでから数年が経ったころ、田中さん演じる五郎の息子・純(幼少期の吉岡秀隆さん)が不注意で火事を起こして家(五郎が建てたログハウス)が全焼してしまうという事件が起きました。
純は火事の原因が自分にあることを知っていながら、嘘をつき、一緒に遊んでいた友人の正吉に責任を押し付けるようなことを言ってしまいます。
ですが、.良心に耐え切れず、五郎、娘の蛍と三人で入った閉店間際のラーメン屋で真実を語り始めたのでした。
五郎は純を責めることなく、黙って耳を傾けます。
正直に話した息子を褒めてやりたい気持ちもあったでしょう。
また、親の都合で離婚をして、北海道の田舎へ連れてきたことに負い目もあったのかもしれません。
そして、火事の真相を話し終えた後、五郎は『そうか、わかった』とだけ言って、ラーメンを食べる様に勧めます。
ですが、純は涙で箸が進みません。
そこで、早く店を閉めたい店員がまだほとんど食べていない純のラーメンを下げようとしました。
その時です!
『子供がまだ食ってる途中でしょうが!』
昭和ドラマ史に残る名言が生まれたのでした。
欲を言えば、ラーメン屋の店員さんには、少し空気を読んで欲しいとは思いますが、店員さんは店員さんで一日働いて疲れ果て、少しでも早く店を閉めたかったのでしょう。
ですが、あの時間は五郎たち黒板家にとって、家族の絆を深めるための大切な、かけがえのない時間だったことに違いありません。
そこに水を差されては、五郎も怒るってしまいますよね。
というわけで、今日のことわざは・・・
今日のことわざ『水を差す』
水を差す(みずをさす)
意味 ・・・ 仲の良い関係や、物事がうまくいっている時に、横から口出しなどをして邪魔をすること。
『水を差す』の意味、由来
『差す』という動詞には主にこれらの意味がありますが、
①酒をすすめる。(杯を差す)
②ごく少量の液体をある部分にそそぎ入れる。(目薬を差す)
③ 液体をほかの液体や容器の中へ少し、または少しずつ加え入れる。(花瓶に水を差す)
慣用句としての『水を差す』は、③の液体を加え入れる という意味に由来しています。
熱いお湯や濃いものに水を入れて(差して)しまうと、ぬるくなったり、薄くなったりしてしまいます。
そしてここでは、水を入れる(差す)ことで、せっかく温かかったお湯をぬるくしたり、濃いものを薄める行為を、物事がうまくいっている時に邪魔をしたり、乱すことにたとえて、『水を差す』という表現になりました。
『水を差す』の類義語、対義語
横槍を入れる(よこやりをいれる)
意味 ・・・ 人の話しや仕事に関係ない人が口を出したり、邪魔をすることのたとえ。
腰を折る(こしをおる)
意味 ・・・ 話などを途中で邪魔をして、妨げること。
拍車をかける(はくしゃをかける)
意味 ・・・ 物事の進行を一段と速めること、勢いづかせることのたとえ。
ニュアンス的に微妙ですが、一応対義語として挙げておきます。
こんな場面で使おう!『水を差す』を使った例文
・僕より先にジャンプを読むお兄ちゃんは、ぼくが読んでいる時にいつも続きをしゃべって水を差してくる。
・彼氏ができたと舞い上がっている友人に水を差したいわけではないが、あの人は既婚者だ。
・せっかく勉強する気になっていたのに、弟が水を差すかのように大音量で音楽を聴き始めた。
・会議が盛り上がっているところに水を差すようだが、その企画は現実的ではないだろう。
・帰省中の友人と飲みに行きたかったが、家族水入らずに水を差すわけにもいかないので、声を掛けないことにした。
『水を差す』を英語で表現すると?
英語にはこのような表現があります。
To put (or throw) water in one’s wine.
(酒の中に水を入れる)
まとめ
何かにつけて水を差してしまうような、タイミングの悪い人っていますよね。
後からやって来て、一瞬で空気を変えてしまうような・・・。
そうならないためにも、『水を差す』という言葉の由来をしっかり覚えておきましょう。
あなたはいい湯加減の湯舟に水を入れますか?
ちょうどいい美味しい味付けに、水を入れて薄めたりしますか?
当然そんなことしませんよね。
人に対してもそうであるように注意しましょうね。