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『翔んで埼玉』から、ことわざを学ぼう!
2/8(土)、『翔んで埼玉』という映画がテレビ放映されましたね。
関東圏に住んだことがない私にとっては、あまりしっくりこないテーマではありましたが、実際に埼玉や千葉に住む方たちは、どのような感想を持ったのでしょうか?
長く暮らしていると、田舎の不便さに嫌気がさしたり、コンプレックスに感じたり、または都会の喧騒が嫌になったりすることもあるとは思います。
ですが、それ以上に住み慣れた場所への愛着の方が大きくなってくるものですよね。
というわけで、今日のことわざは・・・
今日のことわざ『住めば都』
住めば都(すめばみやこ)
意味 ・・・ どんな所でも、住んでいればそこが一番暮らしやすい場所になるということ。
『住めば都』の意味、由来
まず、『住めば都』という表現は、『住んでみれば、住んでいれば』という仮定から始まります。
そして、『都』とは、古くは、天皇が住む宮殿(皇居)があった場所を指します。
奈良時代では、奈良が都でしたし、平安時代は京都が都でしたね。
国の中心となる都は、交通機関、物流、商業などが最も栄え、暮らしやすい便利な街でした。
現代では、交通機関、情報網などの様々なサービスが発達し、都でなくとも、それほど不自由に感じることは少なくなりましたが、昔はそうもいかないということは簡単に想像できますよね。
つまり、ここでの『都』とは、都会という意味ではなく、『都のように暮らしやすい土地』とたとえられています。
そういったことから、『住んでいれば、どんな所でも暮らしやすい場所になってくる』という意味になります。
『住めば都』の対義語、類義語
類義語
類義語
地獄も住処(じごくもすみか)
意味 ・・・ 地獄のようなひどい場所でも、住み慣れれば住みやすい場所になるということ。
対義語
対義語
住まば都(すまばみやこ)
意味 ・・・ 住むのであれば、不便な田舎ではなく便利な都会の方が良いということ。
『住めば都』と一文字(め ➡ ま)違うだけで、反対の意味になってしまいますので、注意しましょう。
こんな場面で使おう!『住めば都』を使った例文
例文 田舎は絶対に嫌だと、転勤の辞令が出たときには転職まで勧めてきた妻が、住めば都なのか、今ではすっかり家庭菜園に夢中で、田舎暮らしを満喫している。
例文 お父さんの仕事の事情で何度も転校を繰り返してきたぼくは、住めば都ということわざを実感したことがない。
例文 本社から田舎の工場への出向が決まった時には、人生終わったとまで落ち込んだが、住めば都で、もう本社には戻りたくないとまで思うようになった。
例文 住めば都と言うが、私は寒いところにだけは暮らしていく自信がない。
例文 ずっと営業成績でライバル関係だった同僚が、地方の子会社への左遷される私に、『住めば都というし、頑張ってこいよ』と声をかけてくれたが、嫌みにしか聞こえなかった。
『住めば都』を 英語で表現すると・・・?
To every bird, his own nest is beautiful(best).
nest ・・・ 巣
beautifu を best として表す場合も多くあるようです。
直訳すると、
(すべての鳥にとって、自分の巣が最も美しい。)
となり、『住めば都』と同じ意味になります。
Home is home be it ever so homely.
homely ・・・ 質素な、粗末な
直訳すると、
たとえどんなに質素であろうと、我が家は我が家だ。
となります。
我が家というものに、愛着が込められた表現として、『住めば都』と同義の表現と言えるでしょう。
それぞれたとえとして使われる対象や言い回しは異なりますが、同じ意味の表現でなります。
まとめ
日本全国に多かれ少なかれ観光地や風土を生かした名産品があるように、どんな土地にもいいところは必ずあります。
ですから、どこであろうと、住み慣れてくれば、当然愛着がわき、自分が身を置く街を誇らしく思うようになってくものです。
進学、転勤、結婚など、知らない土地に行かなければならないきっかけは、人生の中でいつ訪れてきても不思議ではありません。
そんな時には不安がらずに、あなたの好奇心や探求心を駆使して、いち早く『住めば都』を実感すれば、より楽しい未来が待っていることでしょう。