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今日は、昨日に引き続き、『校長先生が1学期の終業式のスピーチで使いそうなことわざ』第二位!(ことわざ広場推定)を発表します!
思春期の若者とは、ほんの少し見ない間に、大きく成長、変化するものです。
様々な刺激を受け、流行を敏感に察知し、感化され、良くも悪くも染まりがちなものです・・・
ということで今日のことわざは・・・
今日のことわざ 『朱に交われば赤くなる』
朱に交われば赤くなる(しゅにまじわればあかくなる)
意味 ・・・ 人は、付き合う人や環境によって、良くも悪くもなるというたとえ。普通、よくない意味で使われる。
解説
「朱色」とは、印鑑を捺す際の『朱肉』の色のことで、通常の赤よりも黄色がかった強い赤色であり、この色が他の色に変わとは稀であると言われていています。
我の強い、染まりにくい色ということですね。
その反対に他の色へ与える影響は強く、朱色が他の色に混ざれば、どんな色も赤味を帯び、色が変化します。
このことから、『朱に交われば赤くなる』とは、そのような朱色という色が他の色に与える影響を、人間関係に例えて、
人は付き合う人の良し悪しによって善悪どちらにも感化されるものだ、という意味として使われるようになりました。
起源については、晋の時代、中国の詩人、傳玄(ふげん)の詩集「太子少傳箴」にある詩、
「近墨必緇、近朱必赤」 ・・・ 墨に近づけば必ず黒くなり、朱に近づけば必ず赤くなる。
に由来するものとされています。
つまり、黒色や朱色は他の色を飲み込んでしまう強い色であることを、人間関係での影響力にたとえ、これらの強い色に接すれば簡単に染められてしまう(良くも悪くもなってしまう)、という状況を表しています。
類義語 対義語
水の方円の器物に従う(みずのほうえんのうつわにしたがう)
意味 ・・・ 人は付き合う友や環境に感化されるものだというたとえ。
麻の中の蓬(あさのなかのよもぎ)
意味 ・・・ 善人と付き合えば、自然とその人に感化されて誰もが善人になるということ。曲がりやすい蓬のつるも、麻の中で育てばまっすぐ伸びるという意から。
人は善悪の友による(ひとはぜんあくのともによる)
意味 ・・・ 良くなるも悪くなるも友人の感化が大きいということ。
泥の中の蓮(でいのなかのはちす)
意味 ・・・ 周囲の悪い環境に染まることなく清く正しいこと。蓮はドロドロとした泥の中で、ピンク色の美しい花を咲かせることから。
鶏群の一鶴(けいぐんのいっかく)
意味 ・・・ たくさんの凡人の中に、一人だけ優れた人物がいることのたとえ。読んでそのまま、鶏の群れ の中に、一羽の鶴 がいるということから。
掃き溜めに鶴(はきだめにつる)
意味 ・・・ つまらない場所に、優れた美しいものが混ざっていること。
こんな場面で使おう 例文
・朱に交われば赤くなるということわざを忘れず、交友関係には注意して夏休みを過ごしましょう。
・新しくできた友達は、どいつもこいつも成績は悪いが、いいやつばかりなので、朱に交われば赤くなると言われないように、成績が落ちないように努力しよう。
・弟の言葉遣いが荒くなってきたのは、朱に交われば赤くなるで、友人の影響かもしれない。
・周りの人たちに、朱に交われば赤くなると言わせないように、俺は、勉強とバンド活動を両立させてやると誓った。
英語での表現は・・・
He that touches pitch shall be defiled.
The person who touches pitch shall be defiled.
(ピッチに触る者は手が汚れる)
pitch(ピッチ) ・・・ コールタールなどを蒸留した後に残る黒褐色の粘質物で、屋根の防水や舗装に使われる。
defile ・・・ よごす、不潔にする
など、英語でも同じような比喩表現があります。
pine pitch ・・・ 松やに という意味から想像すれば、手に付くとねちゃねちゃ粘りつく感じがよくわかりますよね。
まとめ
実際のところ、『朱に交われば赤くなる』とは、いい意味で使われないことわざではありますが、色の特性を巧みに表現しており、使用頻度の高いことわざと言えます。
特に若い世代の方にとっては、説教じみていて、言われて気持ちのいい言葉ではないでしょう。
自分で選んだ友達のことを悪く言われるのは、とても悔しいものですよね。
だったら、言わせなければいんです!
『朱に交われば赤くなった』と、人に責任を押し付けるのは、自分で選んだ友達を裏切っているのと同じですからね。
大切な友達と『切磋琢磨』して、いい交友関係を築いて下さいね。
では、明日は・・・
『校長先生が1学期の終業式のスピーチで使いそうなことわざ、第一位!』を発表させていただきます!