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コロナ禍にける残念な報道から、ことわざを学ぼう!
長引くコロナ禍において不自由な暮らし続いていますが、有名人の国や自治体からの要請を無視した派手な行動についての報道が後を絶ちませんね。
近年、激化している写真週刊誌の報道や、コンプライアンスの厳格化を考えると、羽目を外してしまった代償の大きさはかんたんに予想が付くと思うのですが・・・
我慢できない方もいるのでしょうかね。
というわけで今日のことわざは・・・
今日のことわざ『意馬心猿』
意馬心猿(いばしんえん)
意味 ・・・ 煩悩や情欲のために心が乱れるのを抑えがたいこと。
『意馬心猿』の意味、由来
意 馬 心 猿 という四文字の漢字から成る四字熟語、意馬心猿ですが『意』とは、『心』という意味もありますので、シンプルに、馬の心と猿の心 を比喩的に表現したものになります。
そして、ここでの馬の心とは、本能のままに暴れ、走り回る馬の心、猿の心とは、理性なく騒ぎ立てる猿の心をそれぞれ表しており、その様子を人間が煩悩や欲情を抑えられずに、心が乱れてしまうことにたとえています。
このことから、意馬心猿とは、
煩悩や情欲のために心が乱れるのを抑えがたいこと。という意味の表現になります。
また、『煩悩』という言葉から想像できるように、意馬心猿とは、仏教の教えに由来する表現になります。
煩悩 ・・・ 仏教で心身を悩ませ、苦しめ、煩わせ、汚す心の作用。心身にまといつき心を掻き乱す、一切の妄念(もうねん・・・迷いの心)・欲望。
中国唐の時代の禅僧・石頭希遷による『参同契(さんどうかい)』という禅の詩には、
「如其心猿不定、意馬四馳、則神気散乱于外」
「如し其れ心猿定まらず、意馬四馳すれば、則ち神気外に散乱す」
とあり、煩悩や欲望によって乱れる心の様子が、理性なく騒ぎ経てる猿と、本能のままに暴れ、走る回る馬にたとえられています。
この一文を漢字四文字で表し、意馬心猿という表現が生まれました。
また、心猿意馬と漢字の順番を入れ替えた形で表すこともあります。
『意馬心猿』の類義語、対義語
百八煩悩(ひゃくはちぼんのう)
意味 ・・・ 仏教の教えで、108個の心の迷いのこと。
煩悩具足(ぼんのうぐそく)
意味 ・・・ 心身を煩わせる欲望を持っていること。
虚心坦懐(きょしんたんかい)
意味 ・・・ 落ち着いた心で物事に臨むこと。
光風霽月(こうふうせいげつ)
意味 ・・・ わだかまりのなく清らかな心の様子。
明鏡止水(めいきょうしすい)
意味 ・・・ やましいことがなく、澄み切った心の様子。
こんな場面で使おう!『意馬心猿』を使った例文
・健康維持のためにダイエットを決意したものの、意馬心猿の情に負けてリバウンドしてしまった。
・何かに熱中している者にとって意馬心猿など無縁の言葉だ。
・ヨガを始めてからというもの、心身ともにリラックスできるようになり、意馬心猿の日々から解放されたように思う。
・やはり人間というものは欲深いもので、意馬心猿からは逃れられないのかもしれない。
・彼は事業に成功して生活が豊かになっていくにつれて、意馬心猿が目覚めてしまったかのように、暮らしぶりが派手になっていった。
『意馬心猿』を英語で表現すると?
直接的な表現では、これらのように、
worldly desires(世俗的な欲)
evil passions(邪悪な欲)
比喩的には、
monkey mind
という表現があります。
monkey mind(モンキーマインド) とは、雑念に振り回されたかのように、落ち着きなく木から木へと飛び移ったり、理性がなく騒ぎ立てる様子を表す表現になります。
まとめ
想像していたよりもずっと長引くコロナ禍、全国各地で発生する自然災害により、誰もが多くの不安や悩み、ストレスを抱えていることでしょう。
心が爆発してしまいそうな時もあるかもしれません。
ですが、少しずつワクチン接種も始まり、前進していることには違いありません。
また、現在開催されている東京オリンピック・パラリンピックが多くの勇気、や感動を与えてくれるはずです。
もうひと踏ん張りして、煩悩や欲に打ち勝ちましょう!