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令和初の箱根駅伝を制した青山学院大学から、ことわざを学ぼう!
2020年、令和初の箱根駅伝は、強豪・青山学院大学の総合優勝で幕を閉じました。
私は幼いころは、駅伝の何が楽しいのか全く理解できなかった子供でした。
ですが、エース区間での熾烈な区間賞争い、各大学の山登りや山下りにおいての選手の特性を生かした起用法、繰り上げスタートという制度や翌年のシード権争いなどから生まれるドラマなど、見所が分かってくるとともに、今では箱根駅伝は正月の一番の楽しみになっています。
今や青山学院大学の監督というよりも広告塔とも言えるほど露出の多い原監督は、二年ぶりの王座奪還にこのようなコメントを残したそうです。
「本当に、素直にうれしい。
学生たちは私たちが思っている以上に力を発揮してくれるんだなと。
今年の4年生はダメダメ世代だったんですけど、最高の世代に変身した」
と原監督がコメントする一方で、主将の鈴木選手は、感謝の気持ちをこのように語ったそうです。
「たくさん怒られた。
4年生全員で監督に立ち向かって、箱根で意地を見せて頑張るという思いだった。
監督が嫌われ役になってくださった」
引用元 スポニチニュース
と、素晴らしい師弟愛が報じられています。
厳しい四年間の鍛錬を乗り越えて、見事に実力を開花させて箱根を制した青山学院大学の選手たちを称えて、今日のことわざは・・・
今日のことわざ『大器晩成』
大器晩成(たいきばんせい)
意味 ・・・ 大人物は年を取ってから才能をあらわし、立派になるのに時間がかかるということ。
『大器晩成』の意味・由来
中国の春秋時代の楚の思想家である老子の書と伝わる、「老子道徳経」にある『大器晩成』という一文に由来していると言われています。
漢字を読み砕いた通り、「大器」(大物、大人物) は「晩」(晩年、時期が遅れて) に「成る」(完成する、大成する) ものである、ということです。
「大器」、つまり大きな器というものは作るのに時間を必要とします。
そして、立派なものであればあるほど、要する時間は増えます。
人も、器と同じように大人物であればあるほど、完成までに時間を要するという発想から、大人物は年を取ってから才能をあらわし、立派になるのに時間がかかる、という意味になった表現です。
『大器晩成』の 類義語、対義語
類義語
類義語
大才晩成(たいさいばんせい)
意味 ・・・ 優れた人物というものは歳をとってから頭角を現すようになるものである。
大本晩成 (たいほんばんせい)
意味 ・・・ 優れた人物というものは歳をとってから頭角を現すようになるものである。
対義語
対義語
栴檀は双葉より芳し(せんだんはふたばよりかんばし)
意味 ・・・ 立派に大成する人は、小さいころから何か他の人と違うということ。
実のなる梢は花より知らる(みのなるこずえは はなよりしらる)
意味 ・・・ 優れた人は幼いころより普通の人と違うというたとえ。
こんな場面で使おう 『大器晩成』を使った例文
例文 祖父母は何をやらしても鈍くさかった私を、いつも『あんたは大器晩成だから』と慰めてくれたものだ。
例文 兄は、自分は大器晩成型の人間だといつも言っているが、あれはただの現実逃避でしかないと思う。
例文 不器用ながらも地道な努力を怠らない彼は、きっと大器晩成するだろう。
例文 あの作家は、六十代にして直木賞を受賞したという大器晩成の代表例のような人物だ。
例文 私ももういい年で、夢をあきらめる時期なのかもしれないが、未だに私のことを大器晩成だと信じて応援してくれる妻を思うと、どうすればいいのかわからなくなる時がある。
『大器晩成』を英語で表現すると・・・?
Great talents mature late.
mature ・・・ 熟す、成熟する
直訳すると、
(偉大な才能は遅れてから成熟する)
となり、『大器晩成』と同じ意味を表します。
まとめ
人の才能、素質というものは、いつ、どのようなきっかけで開花するかはわかりません。
スポーツ界では、相性のいい指導者に出会った途端、一気に花開くということはよくある話です。
また、スポーツでも勉強でも仕事でも、ライバルによって、大きく力を伸ばすというケースもよくありますよね。
ですが、それは芽が出ずとも、地道な努力を継続してきたことが前提として挙げられるでしょう。
努力が必ず実を結ぶとは簡単に言い切れませんが、才能を開花させた人は、必ず血の滲むような努力をしてきたはずです。
青山学院大学の選手たちのように、大器が勝手に晩成するのを待つのではなく、大器を晩成させる努力を惜しまないことが大切なのでしょうね。
芽が出る(めがでる)
意味 ・・・ 幸運がめぐってきて、成功のきざしがあらわれる。
実を結ぶ(みをむすぶ)
意味 ・・・ 植物の実がなり、熟すこと。子どもができること。努力した成果が表されること。