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今回もラグビーワールドカップ、日本代表チームの健闘を祈って、ラグビーを通じてことわざを紹介していきます!
イングランドで開催された前回のワールドカップにおいて、日本代表は超強豪南アフリカを破り、予選リーグ3勝したにもかかわらず、ポイントにより3位という結果で決勝トーナメントに進出できませんでした。
1試合4トライ以上で獲得できるボーナスポイント(1P)の不足による敗退で、残念ながら世界レベルとの攻撃力、決定力の違いを痛感せざるを得ませんでした。
10/5のサモア戦では、勝つことはもちろん、4トライ以上を決めて勝ち点5点を獲得し、予選リーグ突破を決めてもらいたいものです。
前ワールドカップでは、南アフリカ撃破というジャイアントキリングを成し遂げた故に、それまでで経験がなかったほどの注目を浴び、選手たちも浮足立っていたと、反省の弁も多く聞かれました。
浮足立つ(うきあしだつ)
意味 ・・・ 恐れや不安で落ち着きを失うこと。
そんな苦い経験もあってか、今大会の選手たちからは大偉業の後でも非常に落ち着いた様子が見られるように思います。
直接対決でもランキングでも優勢なサモア戦ですが、きっちりと4トライ以上を奪い、日本のラグビーで私たちを楽しませてくれることでしょう。
10/5 愛知県豊田市 TOYOTAスタジアム 19:30 キックオフ。
試合中には、空には月が見えているかもしれませんが・・・
月夜に釜を抜かれないように・・・
今日のことわざ『月夜に釜を抜かれる』
月夜に釜を抜かれる(つきよにかまをぬかれる)
意味 ・・・ 不注意、ひどい油断をするたとえ。
解説
まず、月夜は辺りが明るく目立ってしまうため、泥棒は活動を控えるであろうという推測に加えて、『釜』とは、ごはんを炊いたり、食事を作ったりと、生きていくために必要不可欠な物ですね。
泥棒など出ないと油断していた月夜の晩に、命の次に大切とも言える釜を盗まれてしまうなど、極めてひどい大失態ということになりますね。
そんな理由から、『不注意、ひどい油断をするたとえ』という意味のことわざになったということです。
また、『釜を盗まれる』でなく、『抜かれる』という動詞が使われる理由としては、古くは、『竈(かまど)』の下から火を焚いて『釜』の底面から熱を加えて調理していたため、下の写真のように『竈』と『釜』は一体式でした。
そして、『釜』は穴の中にすっぽりと入はまる形状になっており、調理が完了したら釜を抜き出せるようになっていました。
そこから、『盗まれる』『取られる』ではなく、『抜かれる』という動詞が使われているのです。
類義語 対義語
類義語
鳶に油揚げをさらわれる(とんびにあぶらあげをさらわれる)
意味 ・・・ 大切なものを不意に奪い取られること。または、茫然とする様子。
対義語
石橋を叩いて渡る(いしばしをたたいてわたる)
意味 ・・・ 用心深く、慎重に物事を行うことのたとえ。
念には念を入れる(ねんにはねんをいれう)
意味 ・・・ よく注意して、さらに注意すること。
焼き鳥にも攣(やきとりにもへお)
意味 ・・・ 慎重の上に慎重にするたとえ。「攣」は鷹の足につけておく紐。焼き鳥になったものも紐で繋ぐということからいう。
こんな場面で使おう 例文
例文 月夜に釜を抜かれないようにと、日本代表チームは格下相手でも研究に余念がなかった。
例文 まさか、三階に干していた洗濯物が盗まれるとは、まさに月夜に釜を抜かれる出来事だ。
例文 あんなに大きな建設機械が盗まれるなんて、月夜に釜を抜かれたか・・・。
例文 月夜に釜を抜かれないよう、いくら田舎であろうと戸締りはきちんとするべきだ。
例文 月夜に釜を抜かれることもあるので、いくら社内であろうと、貴重品の管理はしっかりしよう。
英語での表現は・・・
While the dogs growl, the wolf devours the sheep.
直訳すれば、(犬が争っている隙に、オオカミが羊を食う。)となり、不注意、油断を表す言葉として、このような表現があります。
まとめ
『月夜に釜を抜かれる』の由来に、月夜の晩は明るいので泥棒が活動しなくなるとありますが、一方で月とは非常に不思議な力があるとされ、満月の夜には事故、事件が多く起きたり、人の心が落ち着かなかったりと、様々な研究結果が報告されていることも事実です。
ラグビーというスポーツはハードで、グラウンドに仰向けに転がる機会も多くあります。
選手たちの目に、月が映ることもあるでしょう。
釜を抜けれるのでなく、狼男のようにさらに強靭なラガーマンとなって、大活躍して欲しいですね。