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実りの秋、収穫の秋に感謝しつつ、ことわざを学ぼう!
2021年10/20、もうすっかり秋ですね。
先日、稲刈りを終えた農家の知人から新米のお裾分けをいただきました。
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私が住む広島では3年前の豪雨災害のような深刻な災害はなく、まずまずの豊作だっと農家の皆さんも胸をなでおろしているようでした。
五穀豊穣に感謝ですね。
というわけで今日のことわざは・・・
今日のことわざ『五穀豊穣』
五穀豊穣(ごこくほうじょう)
意味 ・・ 主食となる米、麦、粟、黍、豆の五種の穀物を中心とした農作物が豊かに実ること。
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『五穀豊穣』の意味、由来
ここでの『五穀』とは、米、麦、粟(あわ)、黍(きび)または稗(ひえ)、豆の五種の穀物を指します。
そして、『豊穣』とは、作物などが豊かに実ること。を意味する言葉になります。
このことから、『五穀豊穣』とは、
主食となる米、麦、粟、黍、豆の五穀を就寝とした農作物が豊かに実ること。
という意味になります。
由来は明確にはわかっていないようですが、中国には古くから五穀豊穣と一文字違いで同じ意味を持つ『五穀豊登(ごこくほうとう)』という言葉がありますので、これが日本に伝わって変化したと考えられます。
また、日本最古の歴史書である『古事記(712年)』に、『五穀豊穣』という言葉が記されていることから、遅くとも奈良時代初期には使われていた表現だと考えられます。
また、『五穀豊穣』は、『家内安全』『商売繁盛』『交通安全』『無病息災』などと同じように、祈願の言葉としても知られており、全国各地に五穀豊穣の神様・宇迦之御魂神(ウカノミタマ)を祀った神社があり、それにちなんだ祭りも多くあります。
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それもそのはずですよね。
農耕の始まりによって人々は安定的に食物を確保、貯蔵できるようになり、生活は大きく改善しました。
ですが、現代のようにしっかりした水路の技術は発達していませんし、農薬や化学肥料などありません。
人類は水害や干ばつ、害虫などの被害に悩まされ続けてきました。
そのため、古代から農作物の豊作を祈願、感謝する儀式や祭りが世界中で行われてきました。
日本では、歴史の深いものでは春の耕作始めに、『祈年祭』という五穀豊穣を祈願する祭りや、『神嘗祭(かんなめさい)』や『新嘗祭(にいなめさい)』という五穀豊穣を祝い、感謝する祭があります。
ハロウィンも本来は秋の収穫を祝い、感謝するお祭りだった?
また、現代では仮装パーティーのようなお祭り感覚が先行していますが、10/31の『ハロウィン』も・・・
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本来は秋の収穫を祝い、感謝するお祭りでした。
少し詳しく言及すると、11月1日を年始とする古代ケルト民族(インド‐ヨーロッパ語系のヨーロッパ先住民族。 紀元前5世紀ごろからヨーロッパ中・西部で栄えたが、紀元前1世紀までにローマの支配下に入った。)は、大晦日にあたる10月31日の夜に、秋の収穫を祝い、感謝するお祭りを行っていました。
そしてまた、その日(10/31)には、先祖の霊が家族に会いに戻ってくると信じられていました。
先祖の霊だけならいいのですが、悪霊も一緒にやって来ると・・・。
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悪霊は農作物に害を与えたり、子どもをさらったり、様々な悪事を働くと考えられていました。
そこで人々は悪魔や魔女などの仮面をかぶったり、仮装することで仲間の振りをして悪霊を惑わせ、追い払おうとしたのでした。
この風習が、ハロウィンでの仮装の起源になります。
やがて、ケルト民族へキリスト教が広まったことで、世界的なイベントとしてハロウィンでの仮装だけが普及していったのでした。
では、続いて・・・
『五穀豊穣』の類義語、対義語
豊年満作(ほうねんまんさく)
意味 ・・・ 作物が豊かに実り、収穫の非常に多いこと。
五穀豊登(ごこくほうとう)
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申し訳ありません。
適切な対義表現が見つかりませんでした。
何か見つかれば追記いたします。
こんな場面で使おう!『五穀豊穣』を使った例文
・近所の神社には五穀豊穣の神様が祀られているそうだ。
・毎年起こる重大自然災害のため、各地で五穀豊穣には程遠い状況が続いている。
・何代も続く米農家の我が家は、毎年家族で初詣に行って五穀豊穣を祈願するのが恒例になっている。
・五穀豊穣とまでは言えないが、今年もまずまずの豊作だった。
・急騰した野菜の値段を思うと、農業従事者ではない私も五穀豊穣を強く願いたくなる。
・来週のお祭りは、五穀豊穣に感謝するお祭りらしい。
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『五穀豊穣』を英語で表現すると?
比喩的表現ではありませんが、英語ではこのように表せます。
huge harvest
rich harvest
英文にすると・・・
The festival prays for huge harvest.
・そのお祭りでは五穀豊穣を祈願している。
The parade have been held wishing for the rich harvest.
・そのお祭りは五穀豊穣を祈って行われている。
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まとめ
毎年繰り返される甚大な自然災害により、一次産業に従事する多くの方々が深刻な被害に悩まされています。
また、今年(2021年)の夏には、自然災害による野菜の価格が急騰するという事態にまでなりました。
人類、農業の歴史とは、言わば自然との闘い、共存の歴史です。
秋の実りに感謝しつつ、今一度、五穀豊穣という言葉について考えてみてはいかがでしょうか?