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今日も暑かったですね・・・
台風の進路が気になるところですが・・・
今日のことわざは、昨日の『滝クリ』婚の延長戦で、省略される有名なことわざを学んでいきましょう。
今日のことわざ 『藪をつついて蛇を出す』略して、『薮蛇』
藪をつついて蛇を出す(やぶをつついてへびをだす)
意味 ・・・ 余計なことをして、災難にあうことのたとえ。
解説
「藪」とは、草木が生い茂っている場所のことで、ここでの『蛇』はその獰猛さから、災いを指します。
藪の中の様子は外からは詳しくは見えず、放っておけばいいものを、藪をつついてわざわざ蛇を追い出し、その蛇に噛まれるという愚かさから、『藪をつついて蛇を出す』とは、
せっかくおさまっているものを、余計なことをしてかえって災いを招くことを表します。
「藪蛇」と略して使われる場合も多くあります。
また、ジェームス・カーティス・ヘボンによって編纂された、日本初の英語で書かれた日本語辞典(和英辞典)である『和英語林集成』(わえいごりんしゅうせい(1867)には、すでに掲載されています。
類義語 対義語
雉も鳴かずば打たれまい(きじもなかずばうたれまい)
意味 ・・・ 余計なことを言わなければ、災いを招くことはないということのたとえ。
裏目に出る(うらめにでる)
意味 ・・・ 期待していたことと、反対の結果になること。
打草惊蛇(だそうきょうだ)(草むらをたたいて蛇を驚かす)
意味 ・・・ 不用意・不必要な行いは逆に思わぬ対抗措置を招くことがあるという戒め。
また兵法三十六計の第十三計にあたる戦術。
兵法三十六計 ・・・ 中国の魏晋南北朝時代の兵法書。兵法における戦術を六系統・三十六種類に分類。
触らぬ神に祟りなし(さわらぬかみにたたりなし)
意味 ・・・ 関わり合いにならなければ、不幸なことにはならないということ。
君子危うきに近寄らず(くんしあやうきにちかよらず)
意味 ・・・ 教養や徳のある人は自分の行いを慎み、危険だとわかっているところには近寄らないということ。
などと、言い換えたり、反対の意味を表現できますね。
また、『裏目に出る』と同じように、『良かれと思ってやったことが・・・』という感じのニュアンスを含むことわざです。
例文 こんな場面で使おう
・やっと彼女が機嫌を直してくれていたのに、何も知らない友人が話を蒸し返して、再び機嫌を損ねてしまった。藪をつついて蛇を出すようなことをしてくれたもんだ。
・兄の寝起きの悪さを知っているぼくは、いくら母に起こしてくるように頼まれても、藪をつついて蛇を出すことなどしない。
・詐欺師の話に自分から興味を持って近づくなんて、藪をつついて蛇を出すようなものだ。
・夏休みの宿題を早々と終わらせて遊んでいたら、お父さんが問題集をたくさん買ってきた。ぼくはまんまと、藪をつついて蛇を出してしまったようだ。
英語での表現は・・・
Let sleeping dogs lie.
寝ている犬は寝かせておけ。
It is not good to wake a sleeping lion.
眠っているライオンを起こすのはよくない。
直訳するとこうなりますが、英語での、『藪をつついて蛇を出す』ということで、ことわざとしての『教え、教訓』としては、同じことですね。
ここで問題です。考えてみてください。
問 『蛇』が含まれたことわざを、5つ答えなさい。
解答例
竜頭蛇尾(りゅうとうだび)
意味 ・・・ 初めの勢いだけは良いが、終わりが振るわないことのたとえ。
蛇ににらまれた蛙(へびににらまれたかえる)
意味 ・・・ 苦手なものや、恐ろしい状況を前に、逃げることもできず、体がすくんでしまうことのたとえ。
長蛇の列(ちょうだのれつ)
意味 ・・・ ヘビのように長く続く列。
蛇は一寸にして人を呑む(じゃはいっすんにしてひとをのむ)
意味 ・・・ 偉大な人物は、幼いころからその資質を見せるものだということ。
蛇は一寸を出してその大小を知る(じゃはいっすんをだしてそのだいしょうをしる)
意味 ・・・ 蛇は体の一部分が出ただけで大きさがわかるということから、物事の一端を見て全体を推し量ることのたとえ。
まとめ
蛇は、古くから『神の使い』と言われ、その姿、形から神秘的な生物と考えられてきたこともあり、多くの表現や神話などに登場しますよね。
蛇の脱皮を、再生や生死の象徴として考えたり、抜け殻を財布に入れるとお金が貯まるという迷信があったりしますよね。
またその反対に、毒を持つ危険な蛇もいたりと、不思議な生物です。
夏場には特に活発に行動しますので、『藪をつついて』『蛇に咬まれない』ように、注意してくださいね。