慣用句

今日のことわざ『貧乏くじを引く』の意味、由来、類義語、対義語、使い方、英語表現などをエピソード付きで徹底解説!

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第99代内閣総理大臣、菅義偉首相から、ことわざを学ぼう!

2021年9月末に自民党総裁としての任期満了を迎える菅義偉首相が、首相官邸で記者団の質問に応じ、総裁選に出馬せず、退陣する意向を示しました。

菅首相は、

コロナ対策と選挙活動を考えた時、実際、莫大なエネルギーがこれに必要であり、両立はできない。

どちらか選択するべきであり、感染拡大を防止するために専念したい。

という理由から退陣を決意したとのことでした。

多くの問題を残して辞任した安倍晋三氏から首相の座を引き継ぎ、新型コロナウィルスの猛威による歴史に残るほどの激動の時代に総理大臣を務められた菅首相にとって、この一年間の苦労、心労は我々の想像を絶するものだったことでしょう。

コロナ対策への批判から支持率は急落し、マスコミ、世論から多くのバッシングを浴び続けてきました。

また、あたかも菅首相のリーダーとしての力不足のように報道されてきました。

ですが、もし菅首相以外の人が、99代内閣総理大臣になっていたとしても、今の現状を回避できたとは言えないでしょう。

それどころか、厳しい状況のなかでワクチンを早急に確保して、高齢者に優先的に摂取させた効果は計り知れません。

確かに寡黙なイメージが強く、口下手で、非常時に求められるリーダー像とは違っていましたが、派手さはなくとも堅実に指揮を執ってくれたのではないでしょうか。

そう思うと、タイミング的に菅首相が貧乏くじを引いたように思えてしまいますね。

というわけで今日のことわざは・・・。

今日のことわざ『貧乏くじを引く』

今日のことわざ
 

貧乏くじを引く(びんぼうくじをひく)

意味 ・・・ 割に合わない、損な役回りに当たること。

『貧乏くじを引く』の意味、由来

まず、『貧乏』とは、財産や収入が少なく生活が苦しいこと。貧しいさま。を意味し、

『くじ(籤)』とは、現代社会でも頻繁に行われている『くじ引き』のことを指します。

くじ引きをしたことがないという方は、まずいないでしょう。

人の意志で選ぶことができず、誰に何が当たるかわからない状況で行われる『くじ引き』は、公正で平等なことから昔から広く使われています。

幼児、児童のうちから、席替えやクラス内での役割を決定する際などで誰もが経験したことがありますよね。

席替えのくじ引きの時には、

あのこの隣がいいな・・・


などと、ドキドキ、ワクワクしたものですよね。

ですが、全てのくじ引きが、ドキドキ、ワクワクする楽しいものではありません。

誰もやりたがらないよう役割を決定するためのくじ引きだってあります。

くじ引きによって、割に合わない損な役回りを押し付けられることも・・・。

もうおわかりですね。

つまり、『貧乏くじを引く』とは、

割に合わない、損な役回りに当たること。

という意味になります。

ここでは、利益にならない = 貧乏 とたとえられているわけです。

また、江戸後期の諺語辞典である「『譬喩尽(たとえづくし)』(1786)には、

貧乏鬮(クジ)に取当った。

とあり、当時には浸透していた表現になります。

『貧乏くじを引く』の意味、由来、類義語、対義語

類義語
 

白羽の矢が立つ(しらはのやがたつ)

意味 ・・・ 多くの中から指定され選ばれること。

お鉢が回る(おはちがまわる)

意味 ・・・自分に順番が回ってくることのたとえ。( 面倒なこと、厄介な役回りに対して使われることが多い)

お鉢 ・・・ 炊き上がった飯を釜から移し入れて置く為の櫃である。 飯櫃(めしびつ)、おひつなどともいう。

対義語
 

一役買う(ひとやくかう)

意味 ・・・ ある役割を自分から進んで引き受けること。

対義語としては微妙ですが、ニュアンス的に挙げておきます。

こんな場面で使おう!『貧乏くじを引く』を使った例文

例文
 

・彼はお人好し過ぎるため、いつも貧乏くじを引いている。

・残りものには福があるというから、最後までくじを引かずに待っていたら、一番面倒くさい風紀委員に当たってしまった。とんだ貧乏くじを引いたものだ。

・今でも大学時代の仲間たちと毎年旅行に行っているが、いつも貧乏くじを引くのは私で、唯一の独身という理由だけで車の段取りやホテルの手配など、面倒なことは全て私の役割になっている。

・正直者がバカを見たり、貧乏くじを引かされるような世の中には、もううんざりだ。

・文化祭の実行委員という貧乏くじを引かされたと思っていたが、そのおかげで気になっていた女の子と仲良くなることができた。

『貧乏くじを引く』を英語で表現すると?

英語には、このような比喩的表現があります。

He always draws the short end of the stick.

・彼はいつも貧乏くじを引いてばかりだ。

short end of the stick で、ずばり、『くじ』という意味になります。

日本でのくじのやり方は、あみだくじだったり、二つ折りにした紙だったりしますが、英語圏の多くの国では、紙などを棒状(スティック)にしたものを人数分用意して、その中の一本だけを短くします。

そして、同じ長さに見えるように手に持ち、ぞれぞれが一本ずつ引き、短いものを引いた人が、嫌な役を引き受けることになります。

また、古くは、straw(藁)を使っていたことから、 short end of the stick を short straw とする場合もあります。

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まとめ

『貧乏くじを引く』とは、非常にネガティブな表現ではありますが、貧乏くじを引くことは、誰もやりたがらないことを経験できるいい機会になるかもしれません。

もし今後あなたが貧乏くじを引いてしまった時には、そう捉えて前向きに取り組んでみてはいかがでしょうか?

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