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歴史的な大記録に挑む、ロサンゼルス・エンジェルス、大谷翔平選手から、ことわざを学ぼう!
野球の最高峰、メジャーリーグで二刀流選手として大活躍しているロサンゼルス・エンジェルスの大谷翔平選手ですが、シーズン終盤を迎えた9月中旬、ホームラン王争いではトップの座を明け渡し、投手としては節目の10勝目を上げられず、苦戦しています。
6月に13本、7月に9本と打ちまくり、一時は年間60本を超えるペースでホームランを量産していた大谷選手でしたが、8月は5本、9月(9/23現在)は、3本と大きくペースダウンしています。
など、不安の声が多く聞こえてきますが、一日も早くそんな声を吹き飛ばすような活躍が見たいものですね。
とは言っても、仮に今のままの成績(45本塁打、9勝)でシーズンを終えたとしても、大記録には違いありません。
ですが、ここまで来たからには、歴史を大きく変えるような大記録を期待してしまいますし、きっと大谷選手ならやってくれるはずです。
このまま竜頭蛇尾に終わることはないでしょう。
というわけで今日のことわざは・・・
今日のことわざ『竜頭蛇尾』
竜頭蛇尾(りゅうとうだび)
意味 ・・・ 初めの勢いは良いが、終わりがふるわないことのたとえ。
『竜頭蛇尾』の意味、由来
『竜頭蛇尾』とは、竜のように頭は立派なのに、蛇のような細く貧弱な尾であるということから、
初めの勢いは良いが、終わりがふるわないことのたとえ。
という意味になります。
諸説ありますが、中国の宋の時代の仏教書『碧巌録(へきがんろく)』や『恵徳傳燈録(けいとくでんとうろく)』に見られる故事に由来する表現になります。
その中でも、『碧巌録(へきがんろく)』には、このような逸話があります。
宋の時代、陳尊者(ちんそんじゃ)という偉い僧が旅の道中に出会ったある僧に問答を仕掛けました。
すると、間髪入れず威勢のいい応対があり、しっかりと修行を積んだ僧のようでした。
ですが、そこは名僧・陳尊者です。
何度か問答を応戦していくにつれて、その僧の本質を見抜き、このように思い至りました。
看取頭角。似則似。是則未是。只恐龍頭蛇尾。
頭の角を看取(み)よ。似たることは則(すなは)ち似たるも、是(ぜ)なることは則ち未だ是ならず。只だ恐らくは龍頭蛇尾ならん。
訳:「頭の角をよく見るといい。龍に似ていると言えば似ているが、しかし未だ龍ではない。恐らく頭は龍であっても尾は蛇といったところだろう。」
続けて、陳尊者は頭を切り替えて難しい問い掛けをしてみました。
すると、陳尊者の思惑は的中し、返答に窮した僧は黙り込んだのでした。
この逸話から、『竜頭蛇尾』という故事成語が生まれたのでした。
『竜頭蛇尾』の類義語、対義語
頭でっかち尻つぼみ(あたまでっかちしりつぼみ)
意味 ・・・ はじめが大きく、終わりは小さいこと。はじめは勢いがよく、終わりがだらしないこと。
大山鳴動して鼠一匹(たいざんめいどうしてねずみいっぴき)
意味 ・・・ 事の前ぶればかりが大きくて、実際の結果が小さいこと。
始めは処女の如く後は脱兎の如し(はじめはしょじょのごとくのちはだっとのごとし)
意味 ・・・ 始めはたいしたことはないが、あとで一気に実力を発揮することのたとえ。また、始めは弱々しく見せかけて敵を油断させ、あとで一気に素早く攻撃すること。
こんな場面で使おう!『竜頭蛇尾』を使った例文
・我が社の新サービスは破格の安さが注目を集め、サービス開始早々から多くの顧客を掴んだが、低価格ゆえの安っぽいシステムが波紋を呼び、竜頭蛇尾に終わってしまいそうだ。
・お笑いの世界で『出落ち』という言葉があるが、あれをことわざで表現すれば、竜頭蛇尾が最適だろう。
・物事を始める前には、竜頭蛇尾に終わらないように、しっかりとした計画を立てなければならない。
・私の夏休みの宿題は、毎年のように竜頭蛇尾になってしまい、最後に慌ててばかりいる。
・長距離走は大の苦手なのに、目立ちたい一心でスタート直後から全速力で走るぼくは、いつも竜頭蛇尾の結果に終わっている。
『竜頭蛇尾』を英語で表現すると?
英語には、このような比喩的表現があります。
Going up like a rocket and coming down like a stick.
・上がるときはロケットのごとく、下がるときは棒のごとし。
まとめ
何かをやり遂げようとする時、最も大切なことはモチベーションを維持していくことでしょう。
ですが、なかなか維持できず、竜頭蛇尾に終わってしまいがちですよね。
何をやっても長続きしない私にとっては、肝に銘じておきたいことわざでした・・・。