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台風8号が去ったと思えば、すでに9号、10号と立て続けに発生しており、今後の夏の予定を不安に感じておられる方も多いことと思います。
こんな時に起こる自然現象といえば・・・
今日のことわざ『雨後の筍』
雨後の筍(うごのたけのこ)
意味 ・・・ 同じような物事、事象が、次から次へと現れたり、起こったりすることのたとえ。(雨が止んだあとに筍が続々と生えることから)
解説
筍(竹の子)とは、竹の芽の部分で、みなさんも春の味覚として食べたことがありますよね。
雨が降った後には、湿度的な環境がいいのか、地面が柔らかくなっているからか、雨を養分としてパワーを得るのか、筍が続々と生えてくることから生まれた表現です。
筍について
では、ここでちょっとした筍の豆知識をお話しします。
『筍』(タケノコ)とは、竹冠(タケカンムリ)に 『旬』(しゅん) と書きますが、 『旬の食べ物』として使われる、『旬』 とは、10日間 を指します。
一か月(30日)を、上旬、中旬、下旬と、3つに分けることを考えれば、分かりやすいですね。
つまり、『筍』 という漢字は、10日もあれば、竹にへと成長する(食べられなくなってしまう)という意味が込められた漢字なのです。
それほど成長が早い植物ということです。
そのため、雨の後に筍が生えてきたら、早いうちに取らないと、すぐに大きな竹に成長してしまいますので、雨が降った翌日には、こぞって筍を収穫するのです。
※筍の成長が異常なまでに早いのは事実ですが、成長の早さを表現する際に『雨後の筍』を使うのは、誤りですので、注意してくださいね。
類義語や対義語は・・・
雨後春筍(うごしゅんじゅん) ・・・ 事物が増えるのが速くて勢いが盛んなたとえ。
北宋時代・中国の文人、張耒が残した言葉。
二番煎じ( にばんせんじ ) ・・・ 前のものの繰り返しや、人の真似事で、新鮮味がないことのたとえ。
類義語とするのは少し無理がありますが、ご勘弁下さい。
なぜ、『二番煎じ』を類義語としたかと言えば、『雨後の筍』という表現とは、影響を強く受ける、便乗する、流行に流される、模倣する、などのような意味合いで、若干揶揄する場合で使われることが非常に多いため、類義語としました。
対義語としましては・・・
残念ながら、思い当たりませんでした。
何かありましたら、今後追加します。
例文 こんな場面で使おう
・AKB48のブーム以降、雨後の筍のように無数のアイドルグループが結成、デビューしたが、一定以上の人気や知名度を獲得したグループはほんの一握りしかいない。
・雨後の筍のごとく新政党が結成されるのは、やはり与党の力不足としか言えないだろう。
・現在のタピオカ人気にあやかり、街には雨後の筍のごとく、タピオカのお店が乱立している。
このように、ネガティブなニュアンスで使われる場合が多いですね。
英語で表現すると・・・
They are springing up like mushrooms after the rain.
『They』の部分を、『主語』に置き換えて使いましょう。
『mushrooms』マッシュルームというと、タケノコっぽくないように思えますが、
similar things turning up one after another
similar ・・・ 似た、同じような
turn up ・・・ 現れる
one after another ・・・ 続々、次々に
bamboo shoots after rain
bamboo shoots ・・・ 筍
では、みなさん、台風の動向には十分注意しておきましょう。