慣用句

今日のことわざ『閑古鳥が鳴く』の意味、由来、類義語、対義語、使い方、英語表現などをエピソード付きで徹底解説!

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コロナによる経済的打撃から、ことわざを学ぼう!

2021年9月現在、新型コロナウィルスの感染拡大が始まってから、1年と半年が経過しようとしています。

その間、繰り返された緊急事態宣言、まん延防止等重点措置といった政策のため、人出は減少し、飲食業や観光業などは甚大な打撃を被っています。

どこに行っても『閑古鳥が鳴く』ような物悲しさに溢れ、実際に聞こえてくるのは関係者の悲鳴ばかりのようです。

我々にできることといえば、一日も早いコロナの収束、活気ある街の復活のために、感染防止に努めるほかないのが悔しいところです。

というわけで今日のことわざは・・・

今日のことわざ『閑古鳥が鳴く』

今日のことわざ
 

閑古鳥が鳴く(かんこどりがなく)

意味 ・・・ ひっそりとさびれた様子。商売などで客足がなく、物寂しい様子。

『閑古鳥が鳴く』の意味、由来

まず、『閑古鳥(かんこどり)』とは、『カッコウ(鳥類カッコウ目カッコウ科)』の別名になります。

カッコウは、5月頃に日本(本州中部地方以北)にやって来て、秋には日本を離れる渡り鳥で、基本的に人里離れた静かな山林などに生息するため実際に見たことがるという人は少ないと思いますが、日本人なら誰でも知っている鳥ですよね。

ちなみに灰色で鳩に似たような感じの鳥になります。

これがカッコウで、

こっちが鳩になります。

小学校の時にリコーダーで動揺『カッコウ』を吹いた経験がある方も多いことでしょう。

そして、鳴き声から学名が付けられるほど特徴的な声で鳴き、それが人を呼ぶように聞こえることから、古くから、『呼子鳥・喚子鳥(よぶこどり)』とも呼ばれていました。

学名 :Cuculus canorus 英名 :Common cuckoo

また、生息するひっそりとした山里で聞こえる鳴き声は、古代から人々を物悲しい、切ない気持ちにさせたそうです。

よって、 ひっそりと静かなさまという意味合いを持つという漢字を当て、『閑古鳥』と呼ばれるようになったようです。

(『かっこうどり)が訛って『かんこどり』になったなど、諸説あり)

また、江戸時代の俳人・松尾芭蕉も『嵯峨日記』において、

憂き我を寂しがらせよ閑古鳥

通釈: 閑古鳥よ、その寂しい鳴き声で世をつらく思う孤独な私を寂しがらせてくれ。その寂しさの中に浸りたいのだ。

と、カッコウの鳴き声を物寂しい心情にたとえた句を詠んでいます。

これらのことから、ひっそりとした山里でカッコウの鳴き声がもの悲しく聞こえる様子を、客が入らず活気がない商売にたとえて、『閑古鳥が鳴く)』とは、

人が集まらずものさびしい様子。特に商売などが流行らず、さびれている様子。

という意味になったのでした。

『閑古鳥が鳴く』の類義語、対義語

類義語
 

門前雀羅を張る(もんぜんじゃくらをはる)

意味 ・・・ 訪ねてくる客もなく、ひっそりとさびれている様子。

対義語
 

門前市を成す(もんぜんいちをなす)

意味 ・・・ その人を慕って、次から次へと訪れる人が絶えない様子。商売が繁盛して、店が多くの客でにぎわっている様子。

千客万来(せんきゃくばんらい)

意味 ・・・ たくさんのお客さんが、ひっきりなしに来ること。

こんな場面で使おう!『閑古鳥が鳴く』を使った例文

例文
 

・新型コロナの猛威によって、どこに行っても閑古鳥が鳴いている状態だ。

・食中毒騒動があった近所の定食屋は、すっかり閑古鳥が鳴いている

・今年の夏は雨が多く、屋上のビアガーデンは閑古鳥が鳴く状態だ。

・私が子供の頃にはあれほどに賑わっていた商店街も、ほとんどの店のシャッターが下り、今では連日閑古鳥が鳴く寂しさだ。

・リモートワークが本格的に始まって以来、オフィス街のごはん屋さんは、お昼時でも閑古鳥が鳴いている

『閑古鳥が鳴く』を英語で表現すると?

『閑古鳥が鳴く』を形容詞として一つの単語で表すと、

deserted ・・・ 人の住まない、さびれた、捨てられた

という単語がニュアンス的に近いものになります。

英文にすると・・・

The hot‐spring resort was quite deserted.

・その温泉街は閑古鳥が鳴く寂しさだった。

のように表せます。

また、

To have little business.

・ほとんど商売にならない。

などとも表現できますね。

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まとめ

2021年9中旬、ワクチンの接種も期待以上のペースで進み、コロナ終息に向けて少しは光が見えてきたように思います。

今は閑古鳥が鳴いているお店や観光地に、一日も早く千客万来の日が来ることを祈って・・・

次回、『今日のことわざ 千客万来に続きます。

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