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間もなく衆議院議員総選挙!舌戦が繰り広げられる選挙活動から、ことわざを学ぼう!
令和3年10/31に行われる衆議院議員総選挙に向けて、選挙活動が加熱していますね。
全国区の人気、知名度を誇る各党の幹部は地方に出向き、マスク越しではありますが、口角泡を飛ばして熱弁する姿が連日報道されています。
国民の努力と我慢に加えてワクチンの効果も相まってか、急激にコロナ感染者も減少してはいますが、くれぐれも飛沫には注意しましょう。
というわけで今日のことわざは・・・
今日のことわざ『口角泡を飛ばす』
口角泡を飛ばす(こうかくあわをとばす)
意味 ・・・ 口から唾を飛ばすほどの勢いで、激しく議論、論説すること。
『口角泡を飛ばす』の意味、由来
『口角』とは、口の両わき、上唇と下唇の接合部を指します。
きれいにかわいらしく笑うため、意識的に『上げる』部分ですね。
また、『泡』とは『唾(つば)』を上品に表現したような感じになります。
そして、どんな時に唾が飛ぶかと言えば・・・
話している時、特に熱を込めて興奮して議論したり、演説などをしている時ですよね。
このことから、『口角泡を飛ばす』とは、
口から唾を飛ばすほどの勢いで、激しく議論、論説すること。
という意味になります。
また、この表現は、中国、唐の時代の詩人・李商隠(りしょういん)が、尊敬する韓愈(かんゆ)の文を称えて書いた詩の一節、
願書萬本誦萬遍、口角流沫右手胝
訳:私は写本することを希望したい。この文章を指にたこのできるまでー万通も写しとり、これを口角沫を飛ばして万遍も諭して、後世に伝えたいのだ。
に由来しています。
現代語訳にあるように、この詩では繰り返し音読することを表していますが、日本では、激しく議論したり論説する場合の表現として使われています。
『口角泡を飛ばす』の類義語、対義語
まくし立てる(まくしたてる)
意味 ・・・ 勢いよく続けざまにしゃべる。
蚊の鳴くような声(かのなくよなこえ)
意味 ・・・ 小さく、弱々しい声のこと。
こんな場面で使おう!『口角泡を飛ばす』を使った例文
・課長は温厚な性格で声を荒げることなどないと思っていたが、先日の会議では口角泡を飛ばして部長に猛抗議していたらしい。
・討論番組の草分け的存在の『朝まで生テレビ』の最大の魅力は、パネリストたちが繰り広げる口角泡を飛ばす討論だ。
・普段は大人しい彼だが、政治の話になると口角泡を飛ばすかのごとく熱を込めて話す。
・試合の流れが来たと感じたチームの監督は、口角泡を飛ばすような激しい口調でメンバーに檄を飛ばした。
・コロナが流行して以来、社内での会議は穏やかになり、口角泡を飛ばすような議論は見ないようになった。
『口角泡を飛ばす』を英語で表現すると?
比喩的な表現で張りませんが、単語一文字では、
rave という動詞が近い意味合いになります。
rave ・・・ 夢中でしゃべる、うわごとを言う、どなる、わめく、夢中になってしゃべる、熱心に説く、激賞する、荒れ狂う、はめをはずして楽しむ
each other を付けて、rave at each other とすると、より近いニュアンスになりますね。
英文にすると・・・
They raved at each other in an argument.
彼らは口角泡を飛ばす議論を繰り広げた。
まとめ
長引くコロナ禍によって、飛沫は大きな感染源として考えられるようになりました。
その結果、口角泡を飛ばすような議論や主張をする機会も少なくなったことでしょう。
ですが、時には腹を割って、感情をむき出しにして本音で向き合うことも必要なことです。
おしゃべりな私としては、一日も早く友人たちと口角泡を飛ばすような対話がしたいものですね。