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先日、多くのバラエティー番組が、今年3月の改変期で打ち切られると報じられていました。
日本テレビの「メレンゲの気持ち」「火曜サプライズ」、
TBSの「噂の!東京マガジン」「爆報!THEフライデー」など、
どれも人気番組であることに驚きました。
通常、打ち切りとなるのは視聴率低迷や不祥事が原因といわれますが、この4番組はどちらにも当てはまらないそうです。
現在のテレビ業界では、コロナ禍による経営状況が悪化で広告出稿見送るスポンサー企業が増加しており、
広告収入による民放テレビ局の売り上げが大幅に減り、多額の予算が掛かるドラマやバラエティー番組などの制作費が捻出できず、打ち切りを余儀なくされる番組が続出しているといいます。
また、出演芸能人に支払われる高額なギャラも番組打ち切りの原因の一つだそうです。
このような報道を耳にして、今や数々の番組でMCを務め、テレビに引っ張りだこの今田耕司さんが語っていた、ギャラに対する考え方を思い出しました。
今田耕司さんのギャラへの考え方から、ことわざを学ぼう!
今田さんは、なるべく数多くの仕事をしたいという思いから、自らの意向で、テレビ出演時のギャラを低めに設定しているそうです。
人気、実力とも申し分なく、さらにギャラが安ければ、当然オファーは増えますよね。
単価は低くとも、それ相当な数をこなせば、大きく稼ぐことも可能になります。
芸能人にとってのギャラアップとは、サラリーマンでの、昇格や昇給と同じで、誰もが欲することでしょう。
ですが、今田耕司さんはあえて、このような戦略を立てて、芸能界での地位を不動のものにしたのでした。
まさに、『 』の精神ですね。
というわけで今日のことわざは・・・
今日のことわざ『損して得取れ』
損して得取れ(そんしてとくとれ)
意味 ・・・ 一時的には損をしても、後々大きな利益となって返ってくるように行動しなさいという教え。
今日のことわざ『損して得取れ』の意味由来
元々「損して得取れ」は、読み方は同じですが、漢字では、「損して徳取れ」といわれていました。
『徳』、つまり人からの信頼、人徳のことです。
自分には損になってしまうこと、損な役回りであっても、誠意をもって人のために尽くせば、人から信頼されるようになり、(徳を得る)最終的には自分に返ってくる、という意味でした。
また、「損して徳取れ」は、主に商売や仕事の場面で使われていたことから、自分が損をしてでも、努力を惜しまず一生懸命やって徳を積めば、いつかは良い仕事が回ってくるという意味としても使われていました。
そして、主に商売や仕事の場面で使われていたことから、損得勘定のニュアンスが強くなり、現代では、徳取れが転じて得取れとなったということです。
『損して得取れ』の類義語、対義語
損せぬ人に儲けなし(そんせぬひとにもうけなし)
意味 ・・・ ある程度の損をする覚悟がなければ大儲けはできないということ。
一文惜しみの百知らず(いちもんおしみのひゃくしらず)
意味 ・・・ 目先のことに心を奪われて、わずかな金銭を惜しんで、後で大損することに気づかないことのたとえ。
目先のわずかばかりの損得にとらわれて、あとで大損することに気づかない愚かさを揶揄するたとえ。たったの一文を惜しんだがために、あとで百文もの損失を招くということから。
こんな場面で使おう!『損して得取れ』を使った例文
商売のコツや投資の重要性を表す際や、甘い考えで目先の利益だけとらわれている人を戒める言葉として使われます。
・新商品の試供品配布は、まさに損して得取れの発想だ。
・みんなが遊んでいる時に勉強するのは辛いけど、損して得取れで、志望校に入学したら思い切り遊んでやる。
・いつも部下を庇って上司に怒られていた主任だが、今回の人事では部下からの人望の厚さを評価され、異例の大昇格を果たした。主任に下心などなかっただろうが、これはまさに損して得取れだ。
・人気ユーチューバーのヒカル氏は、企画に大金を投じるという、損して得取れの戦略で大成功している。
・先日オープンしたスーパーは、まずはお客を集めることを最重視して、損して得取れと開店初日から赤字覚悟の大安売りをしている。
『損して得取れ』を英語で表現すると?
比喩的な表現としては、
Lose a dime and win a dollar.
10セント効果を失い、1ドルを手に入れる。
dime ・・・ 10セント硬貨
What you lose on the swings, you gain on the roundabouts.
ブランコの損は回転木馬で稼ぐ。
などがあり、直接的なものでは、
Sometimes the best gain is to lose.
時には損をすることが最上の利益である。
などがあります。
まとめ
『損して得取れ』という表現に当てはまることは世の中に溢れています。
企業が自社製品に大金を投入するCMなどの広告費用や、生産性、品質を向上させ、利益をアップさせるための設備投資など、まさに損して得取れの発想です。
高額な学費を払って大学や専門学校などに通うこともそうといえます。
また、好きな異性の気を引くためにプレゼントを贈ったり、手料理を振る舞うといった行動も、『損して得取れ』といえるケースもあるでしょう。
魚釣りだって、始めに付けるエサは犠牲になります。
まぁ、世の中には何の犠牲も払わずに得をしようなんて甘い話はありませんけどね・・・・。
人間という生き物は欲深く、目先の利益にとらわれてしまいがちです。
そしてその結果、失敗したり、大損をしてしまうことも多くあります。
甘い儲け話や誘惑に惑わされないためにも、頭の片隅に『損して得取れ』ということわざを入れておきましょう。