目次
13年前と変わらぬ上野由岐子投手の快投から、ことわざを学ぼう!
2021年7/27、東京オリンピックにおいて、日本代表チームがアメリカとの接戦を制し、13年越しの悲願の金メダルを手にしました。
というのも、ご存じの通り女子ソフトボールは、2008年の北京オリンピックを最後にオリンピック種目から除外されていました。
あれから13年・・・。
ついに関係者たちの努力が実り、東京オリンピックで正式種目として復活を遂げたのでした。
そんな晴れ舞台に、13年前と同様に日本のエースとして君臨し、今大会でも力投を見せたのが、上野 由岐子投手でした。
オリンピック種目から除外されたことで大きな目標を失い、先の見えない日々が長く続いたことでしょう。
さらには、コロナ禍によるオリンピックの延期も重なりました。
いくら超一流のアスリートでも、年齢的な問題もあるでしょう。
そんななか、気持ちを切らさず努力を積み重ね、全盛期の頃の13年前と同じように日本のエースとしての活躍した姿は多くの感動を呼びました。
というわけで、13年前と変わらぬ快投を披露した上野 由岐子選手を讃えて、今日のことわざは・・・。
今日のことわざ『十年一日』
十年一日(じゅうねんいちじつ)
意味 ・・・ 長い年月の間、少しも変わらない同じ状態であること。同じ状態がずっと続いて、進歩や発展がない様子。一つのことを忍耐強く守り続けること。
『十年一日』の意味、由来
『十年一日』という四字熟語は、特にひねりがあるわけでなく、文字通りに、『十年』という年月が、まるで『一日』ようであるということになります。
つまり、
長い年月の間、少しも変わらない同じ状態であること。
を意味します。
そこから転じて、
同じ状態がずっと続いて、進歩や発展がない様子。
一つのことを忍耐強く守り続けること。という意味も持ちます。
このように、『十年一日』とは、良い意味と悪い意味、相反する二つの意味を併せ持つ表現になります。
どのような意味合いで使用されているかは、文脈から判断することが必要になりますし、使う時には、聞き手に失礼にならないように注意しなければなりません。
もちろん、この記事では、上野 由岐子選手の13年前と変わらぬ快投を讃えて『十年一日』と表現していますので、
一つのことを忍耐強く守り続けること。
として使っています。
由来としては、古くは明治時代の小説家・嵯峨之屋御室(さがのや おむろ)が著した『姉と弟』(1892年)に、
「十年一日の如くよく家を守りよく子を教育して」
また、夏目漱石の『吾輩は猫である』に、
「主人の顔の洗い方も十年一日の如く例の通りである」
などと見られます。
『十年一日』の類義語、対義語
旧態依然(きゅうたいいぜん)
意味 ・・・ 昔の状態のままで、少しも進歩や発展がないこと。
日進月歩(にっしんげっぽ)
意味 ・・・ 日ごと月ごとに、いつも絶えず進歩すること。
こんな場面で使おう!『十年一日』を使った例文
・長い間両親と離れて住んでいた両親と同居を始めたが、相変わらずの二人の漫才のような掛け合いに十年一日を感じる毎日だ。
・子供の頃から何をやっても続かなかった弟だが、十年一日のごとく、四十を過ぎた今でも転職を繰り返している。
・入社した時には夢も野心もあったが、出世競争から脱落して以来、十年一日のごとく、家と会社を往復しているだけだ。
・彼はプロ野球選手を引退してからも、ファンを幻滅させたくないと、十年一日のごとく現役時と変わらぬ体型をキープしている。
・高校卒業以来、二十年ぶりに初恋の人に会ったが、まさに十年一日のように、若々しく美しいままで、年甲斐もなくときめいてしまった。
『十年一日』を英語で表現すると?
比喩的な表現ではありませんが、英語ではこのように表せます。
without intermission for long years
intermission ・・・ 休止、休憩
直訳:長年の間、休むことなく
with constancy of purpose for long years
直訳:長年の間、同じ状態のまま
まとめ
肉体を駆使するスポーツの世界では、必然的に年齢的な限界が存在します。
そのなかで、「十年一日」のごとく、輝き続けるには想像を絶する努力が不可欠でしょう。
残念ながら、ソフトボールは3年後のパリ・オリンピックでは五輪種目からの除外が決定していますが、2028年のロサンゼルス・オリンピックでは再び復活してほしいものです。
上野由岐子選手は、『ロサンゼルス五輪で正式種目として復活したら?』という質問に、
「もしかして、その時まで私が投げていたら、再度マウンドに立つことがあるかもしれません」
と笑顔で答えていました。
それが実現すれば、十年一日のまさに倍の、『二十年一日』!
二十年一日の勇姿を是非見たいものですね。