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二刀流で大ブレイクのロサンゼルス・エンゼルス・大谷翔平選手からことわざを学ぼう!
NPB(日本のプロ野球)を経てメジャーリーガーとなって四年目の2021年、大谷翔平選手が自身の代名詞である『二刀流』で、投打に渡って大活躍していますね。
プロになるほどの選手は、小さい頃からエースで四番が当たり前とは言いますが、世界最高のメジャーリーグでのことですから、素晴らしい快挙に違いありません。
また、本塁打のトップ争いに名を連ねる選手(2021年5月末時点)が先発投手として登板するのは、1921年のベーブ・ルース(ヤンキース)以来、実に100年ぶりのことだそうです。
メジャー4年目にして早くも伝説の選手と肩を並べたと思うと、同じ日本人として誇らしいですね。
投げて良し、打って良し、走っても守っても良し、野球に対する真摯な姿勢、さらには恵まれた体格に甘いマスク・・・。
天は二物を与えずといいますが、神様一体どういうことでしょうか・・・。
というわけで今日のことわざは・・・
今日のことわざ『天は二物を与えず』
天は二物を与えず(てんはにぶつをあたえず)
意味 ・・・ いくつもの才能や長所をもった完璧な人間などいないということ。
『天は二物を与えず』の意味、由来
この表現では、『天』は、天の神様、『物』は人間の才能や資質を指しています。
文字通りに読み取れば、神様は二つの才能を与えることはない。という意味になりますが、若干ニュアンスが異なります。
そして、ここでの『二物』は、そのままに『二つの才能、資質』というわけでなく、複数の、多くの才能、資質を表しています。
つまり、『天は二物を与えず』とは、神様は一人の人間だけに、いくつもの才能や資質を与えることはしないので、完璧な人間などいないという意味になります。
実際に、人にはそれぞれ長所があれば短所もあり、欠点のない完璧な人間などいませんよね。
営業センスは天才的なのに、お金の勘定に疎く経営が上手くいかない社長さん、
一流モデルのような容姿を持ち、いつも美しく着飾っているが、整理整頓が苦手で部屋はゴミ屋敷のようだったり、
理系の成績は抜群だが、文系科目はさっぱりだったり、
上司としては完璧なのに、女癖がひどかったり・・・
飛び抜けた才能、資質を持つ人は何かしらの欠点があるものですよね。
由来としては、キリスト教っぽくて聖書にありそうな表現ですが、確かな起源、記録は不明のようです。
古い出典でも、芥川龍之介の短編小説『戯作三昧』(1917年)に、
手前などの量見では、先生のような大家なら、何でも自由にお作りになれるだろうと存じておりましたが――いや、天二物を与えずとは、よく申したものでございます。
とあり、比較的近代に生まれたことわざだと考えられます。
『天は二物を与えず』の類義語、対義語
角ある獣に上歯なし(つのありけものにうわばなし) / 角あるものは牙なし(つのあるものはきばなし)
意味 ・・・ 一人でいくつも優れたものを兼ね備えるのはむずかしいというたとえ。「上歯」は牙の意で、角がある獣には牙がないということから。
弁慶の泣き所(べんけいのなきどころ)
意味 ・・・ どんなに強い人にでも弱点があるということ、欠点のない人などいないということのたとえ。
文武両道(ぶんぶりょうどう)
意味 ・・・ 学芸と武道の両方に秀でていること。勉学とスポーツともにすぐれていること。
才色兼備(さいしょくけんび)
意味 ・・・ すぐれた才能と美しい容姿の両方をもっていること。
※その他にも、博学多才、才貌両全など、多くの対義的表現があります。
こんな場面で使おう!『天は二物を与えず』を使った例文
・天は二物を与えずというが、様々な才能に溢れる彼女を見ていると、そんな言葉は信じられなくなってくる。
・天は二物を与えずというように、完璧な人間などいないのだから、相手がどんなに優秀な人であろうと、肩の力を抜いて接すればいい。
・うちの社長は営業能力が非常に高く、仕事はいくらでも取ってくるのだが、天は二物を与えずで、お金の計算に滅法弱く、赤字を出してしまうことが度々ある。
・彼は打者としてはプロの世界でも超一流の選手だが、天は二物を与えずで、守備となるとひどいもので、DH制のあるパリーグでしか活躍できないだろう。
・勉強もスポーツも万能の彼と初めてカラオケに行ったのだが、面白いほどに歌が下手で、天は二物を与えずとは本当だったと安心する自分がいた。
『天は二物を与えず』を英語で表現すると?
比喩的なものでは、
God doesn’t give with both hands.
(神は両手には与えてくれない)
The water that came from the same spring cannot be both pure and salt.
(同じ泉から出た水が、純水かつ塩水であることは有り得ない)
直接的な言い回しでは、
Heaven does not grant people more than one talent.
(天は人々に1つ以上の才能を与えることはしない)
God does not give two gifts.
(神は二つの才能は与えてくれない)
これらのように表せます。
まとめ
稀代の発明家・トーマス・エジソン言葉に、
『天才とは、1%のひらめきと99%の努力である』
とあるように、天才と称えられるような人物はそれに伴った壮絶な努力を積み重ねたことでしょう。
長い年月をかけて手に入れた能力や技術は決して神様から与えられたものではなく、自ら掴み取ったものに違いありません。
では、神様が与えてくれないのだったら、あなたはどうしますか?
二物でも三物でも自分で掴み取ってやろうじゃありませんか!