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2021年8月半ば、3年前の西日本豪雨災害を上回るほどの雨が九州北部、中国地方を中心に過去に経験のないほどの雨が断続的に降り続き、各所で大きな災害が発生しました。
被害にあわれた方たちへ、謹んでお見舞い申し上げます。
梅雨時期ならいざ知らず、この時期においての長期に渡る豪雨は例がなく、近年の気象の変化には驚きを隠せません。
また、厄介なのが『線状降水帯』という雨雲域で、発生時間の予測が難しく、発生したなら大きな災害を引き起こす可能性が強くあります。
自治体や報道局では、様々な表現を駆使して、視聴者に避難の推奨を呼び掛けていますが、実際に行動に移す人は少なく、逃げ遅れてしまう場合が目立つようです。
確かに、『線状降水帯』は、短時間で局所的に大雨を降らせますので、
という地域の方が多いのは事実ですが、何かあってからでは取り返しはつきません。
いざ避難したものの空振りに終わったとしても、その時の経験はいざという時に必ず生きてくるはずです。
速やかに避難するよう心掛けましょう。
というわけで今日のことわざは・・・
今日のことわざ『大山鳴動して鼠一匹』
大山鳴動して鼠一匹(たいざんめいどうしてねずみいっぴき)
意味 ・・・ 前ぶれの騒ぎばかりは大きいのに、実際の結果はとても小さいことのたとえ。
『大山鳴動して鼠一匹』の意味、由来
ここでの『大山(たいざん)』とは、『泰山』とも書かれますが、中国・山東省にある「泰山」を指しているわけではなく、一般的に「大きく高い山」を表しています。
そして、『鳴動』とは、大きな音をたてて揺れ動くことうを意味します。
文字通りの解釈では、大きい山が音を鳴り響かせて揺れ動くので、大噴火や大地震でも起こるのかと思えば、鼠が一匹出てきただけだったということになります。
このことが転じて、『大山鳴動して鼠一匹』とは、
前ぶれの騒ぎばかりは大きいのに、実際の結果はとても小さいことのたとえ。
という意味になります。
また、古代ローマの詩人ホラティウスの『詩論』に、
Parturiunt montes, nascitur ridiculus mus.(原文:ラテン語)
現代語訳:山々は産気づき、一匹の滑稽なハツカネズミが産まれる。
とあり、この詩に由来する表現だと言われています。
大山鳴動して鼠一匹』の類義語、対義語
蛇が出そうで蚊も出ず(じゃがでそうでかもでず)
意味 ・・・ 何か大きなことが起こりそうだが、実際はこれといって何も起きないことのたとえ。
藪をつついて蛇を出す(やぶをつついてへびをだす)
意味 ・・・ 余計なことをして、かえって悪い結果を招くことのたとえ。
こんな場面で使おう!『大山鳴動して鼠一匹』を使った例文
・『過去に経験したことのない大雨が降る』としきりに報道されるので近所の小学校に避難したが、大山鳴動して鼠一匹、結局小雨しか降らなかった。だが、避難場所の確認や避難生活で必要なものがわかったことは大きな収穫だった。
・ネットで大評判のラーメンを3時間も並んで食べたが、大山鳴動して鼠一匹、どこにでもあるよう普通のラーメンだった。
・生真面目な同僚が無断欠勤したので心配になって昼休みに家まで行ってみたが、ただの寝坊で、大山鳴動して鼠一匹だった。
・商店街で福引を引いたら、金の玉が出てきて会場は大騒ぎになったが、大山鳴動して鼠一匹で、景品は安物のトースターだった。
・実家の蔵から重厚な金庫が出てきたので、専門業者を呼んで3日もかけて開けてもらったが、中には古い印鑑が入っているだけで、まさに大山鳴動して鼠一匹な結果だった。
『大山鳴動して鼠一匹』を英語で表現すると?
The mountains have brought forth a mouse.
(山々が一匹の鼠を動かした)
ラテン語での原文、
Parturiunt montes, nascitur ridiculus mus.
の英訳になります。
まとめ
人間とは、自分の都合のいいようにばかリ考えてしまうものです。
いくら、大山鳴動して鼠一匹な結果であったとしても、いつかやってくるかもしれない災害のために、災害時には命を守る行動を心掛けましょう。