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東京オリンピック・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長の女性を蔑視とも取れる発言に波紋が広がっていますね。
取材に応じた森会長は、
と釈明されていましたが、
そのうえで自身の去就に触れ、
と、自身の去就に触れ、辞任の可能性にまで言及する騒ぎとなっているようです。
森会長といえば内閣総理大臣まで務められた立派な方なのでしょうが、過去にも幾度となく失言によって注目を集めていますよね。
今日のことわざは、失礼を承知で森会長にぴったりのことわざを・・・
今日のことわざ『口は災いのもと』
口は災いのもと(くちはわざわいのもと)
意味 ・・・ よく考えもしないで、不用意に発言することは、災いのもととなるから、慎むべきだということ。
『口は災いのもと』の意味
『口』とは、口から発せられる迂闊な、不用意な発言を意味し、
『災い』とは、人に不幸をもたらす物事、また、その結果である不幸な出来事のことで、『(禍(わざわい)』とも書きます。
現在、毎日のように耳にするコロナ禍(ころなか)の禍(か)と同じ漢字です。
つまり、不用意な発言は、自分の身を滅ぼ元(原因)となりうるので、慎むべきだという意味になります。
『口は災いのもと』の由来
古今の書から様々な事項を抜粋、分類し、その根拠を記した現代風にいえば分類百科事典のような中国の書物である『古今事文類集・後集』に、
口は是れ禍の門、舌は是れ身を斬るの刀なり
現代訳: うかつなことを言うと禍が起きる、舌は槍よりも多く身を傷つける
とあり、その一文に由来しています。
『口は災いのもと』の類義語、対義語
口は禍の門(くちはわざわいのかど) ・・・ 口は災いのもと の古い言い回し。
舌は禍の根(したはわざわいのね)
病は口より入り禍は口より出ず(やまいはくちよりいりわざわいはくちよりいず)
意味 ・・・ 病気は食べ物や飲み物とともに口から入り、災いは、口から発することばが原因になるということ。
雉も鳴かずば打たれまい(きじもなかずばうたれまい)
意味 ・・・ 余計なことを言わなければ、災いを招くことはないというたとえ。
口がすべるより足がすべったほうがまし(くちがすべるよりあしがすべったほうがまし)
意味 ・・・ 不用意な発言は、災いの原因になるから慎むべきこと。(ルーマニアのことわざ)
言い勝ち功名(いいがちこうみょう)
意味 ・・・ たくさんしゃべると賛同する人が増え、結局は支持されるようになること。
こんな場面で使おう!『口は災いのもと』を使った例文
不用意な発言は控えるべきだという戒めのことばとして使われます。
・口は災いのもとだから、相手の気持ちを考えて言葉を選ぶようにするべきだ。
・うっかり口にしてしまったことで、彼女を傷つけてしまった。まさに、口は災いのもとだ。
・彼の営業での話術は素晴らしいものだが、口は災いのもとで、クライアントを怒らせてしまうことも多々あるようだ。
・過激な発言でネット上で炎上ばかりしている芸能人に、口は災いのもとということわざを教えてあげたいものだ。
・私は犯行現場を目撃していたが、口は災いのもと、誰にも話さなかった。
『口は災いのもと』を英語で表現すると?
Out of the mouth comes evil.
(悪事が口から出てくる。)
More have repented speech than silence.
(より多くの人が、黙っていたことよりも、話したことを後悔する。)
Least said, soonest mended.
(口数が一番少ないのが、一番修復が速い)
英語にも、比喩的な表現として、これらのような言い回しがあり、『口は災いのもと』と同じ意味になります。
まとめ
言葉というものは、人類が生んだ最も優れたコミュニケーションツールということに間違いはありませんが、時としてわが身を滅ぼしてしまうほどの災いを招く危険を秘めています。
言葉によって感謝の気持ちや愛を伝えることができる一方で、心ない言葉は刃物のように人を深く傷つけてしまいます。
言葉の力、素晴らしさを、生かすも殺すもあなた次第です。
『口は災いのもと』ということわざを肝に銘じて、愛のある言葉の使い手になれたら素敵なことですね。