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大河ドラマ『青天を衝け』から、ことわざを学ぼう!
2021年も半分が過ぎ、折り返しに入った大河ドラマ『青天を衝け』ですが、激動の明治維新へ向けて物語が大きく動き出し、目が離せないところですね。
幕末を題材にした作品においては珍しいことではありませんが、今作でも強い志を持つ多くの若い志士たちが義のため、国のためにと、命を落としてきました。
日本の行く末を案じ、国を強くするためにと文字通り命を懸けて戦った志士たちに、彼らが築き上げた現代の豊かな日本に生きる者として敬意を表し、今日のことわざは・・・
今日のことわざ『命は義によりて軽し』
命は義によりて軽し(いのちはぎによりてかるし)
意味 ・・・ かけがえのない命でも、義のためであれば惜しくないということ。
『命は義によりて軽し』の意味、由来
ここでの『義』とは、儒教の基礎となる五常(仁・義・礼・智・信)の一つで、
他人に対して守るべき正しい道。物事の道理にかなっていること。道義、正義などを意味します。
つまり、『命は義によりて軽し』とは、
かけがえのない生命であっても、『義』のためであれば惜しくはない(軽い)。
という意味になります。
また、中国後漢朝について書かれた歴史書『後漢書‐朱穆(しゅぼく)伝』にある、
「情為恩使命縁義軽」
「情は恩の為に使え、命は義に縁りて軽し」
という一節に由来しています。
『命は義によりて軽し』の類義語、対義語
命は鴻毛より軽し(いのちはこうもうよりかるし)
意味 ・・・ 鴻毛(オオトリの羽毛)は、極めて軽いことから、命を捨てることは少しも惜しくないこと。
命あっての物種(いのちあってのものだね)
意味 ・・・ 何事も命があってこそ初めてできるものだということ。
命に過ぎたる宝なし(いのちにすぎたるたからなし)
意味 ・・・ この世に命以上に大切なものはないということ。
こんな場面で使おう!『命は義によりて軽し』を使った例文
・命は義によりて軽しと、大儀のために亡くなった人を、決して犬死などと笑ってはならない。
・武家社会は、命は義によりて軽しという信念を持った家臣たちによって支えられていた。
・歴史を辿れば、命は義によりて軽しということが当たり前の時代が長くあった。
・命は義によりて軽しとは言っても、無謀な行動だけは慎むべきだ。
・明治維新とは、命は義によりて軽しと、命をなげうってまで奮闘した志士たちの功績である。
『命は義によりて軽し』を英語で表現すると?
比喩的な表現ではありませんが、英語ではこのような言い回しができます。
I hold my life at nothing as compared with my cause.
直訳:私は自分の対義と比べて、命に固執するものは何もない。
訳:私は自分の大義を成すためには、命に固執しない。
まとめ
命は義によりて軽し・・・。
いつの時代も、そんな気概を持った人たちが時代を、歴史を作ってきたのでしょう。
一見、今の時代にはそぐわない表現のように思えますが、現在も、新型コロナウィルス治療の最前線で奮闘されている方や、先日(2021年7/3)発生した熱海地区での災害においても、『義』のために命を張って救出や復旧にあたる方々がおられます。
そんな方々に敬意を表して、また、かけがえのない命が失われることがないように祈っております。