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筋トレを始めた方へ、プロテインからことわざを学ぼう!
コロナ禍での運動不足解消や体質改善のため、家庭で筋トレを始めた方も多いといいますが、着々と成果が出て、
と考えている方もおられることでしょう。
そんな方のために、今回は筋トレとことわざが趣味の私が、プロテインについて軽くお話したいと思います。
まず、プロテインって何?
ということから始めていきます。
プロテイン(protein)とはずばり、たんぱく質という意味の単語です。
そして、一般的にプロテイン、またはプロテインパウダーと呼ばれるものは、たんぱく質を粉末状に加工したもので、それを液体に溶かして飲みます。
筋トレに興味のない方の中には、プロテインはドーピングであり、さらには禁止薬物くらいに思っている方もおられるようですが、
成分的に普通のタンパク質で、肉や魚、卵などを食べるのと変わりありません。
ただ固形物でなく液体として摂取しているだけなのです。
一昔前はプロテインは飲むこと自体もトレーニングかと思うほど不味いものでしたが、今では多くの企業様の努力によって、とても美味しく、飲みやすいものになり、また様々な味、フレーバーを楽しめるようになっています。
たんぱく質は人間にとっての必須栄養素で、筋肉だけでなく、皮膚、髪の毛、爪などを構成する主成分で、健康的な身体を維持するには、一日に、体重 × 1ℊ のたんぱく質が必要とされています。
60㎏ の人だと、最低でも一日60ℊのたんぱく質を摂取すべきなのです。
さらにはトレーニングによって筋肉を増強している方であれば、通常の2倍の量が必要とされています。
赤身と脂身の割合にもよりますが、肉類でだいたい、15~20ℊ/100ℊ のたんぱく質を含みますが、
食事からだけで必要なたんぱく質を摂取することはなかなか難しいものです。
ということで、液体状で手軽にサラッと、効率よくたんぱく質を摂取できるプロテインが重宝されているというわけです。
また、肉や魚などの固形物よりも、液体状の方が消化・吸収速度が速いという理由から、得にトレーニング後に飲まれています。
では、その原材料、製造工程にも少しだけ触れておきましょう。
一般的にプロテインとは、大きく分けて牛乳由来のたんぱく質、大豆由来のたんぱく質を主成分としており、牛乳由来(ホエイたんぱく)のものをホエイプロテイン、大豆由来のものをソイプロテインといいます。
その二つなかでもホエイプロテインが主流で、多く流通しています。
そしてホエイプロテインは、牛乳からチーズを作る際に固形物と分離して生まれる乳清(ホエイ)という成分(主にたんぱく質)から作られます。
製造工程としては、乳清に含まれるたんぱく質だけを抽出するために、何度も濾過を繰り返し、脂質や炭水化物(糖質)を除去していき、たんぱく質の純度を上げていくのです。
そうすることで、
最小限のカロリーで最大限のたんぱく質を摂取できるように作られているのです。
もちろん牛乳は代表的な健康的な飲み物で、素晴らしい栄養素が詰まっていることには違いないのですが、
プロテインの真の目的は、
いかに余計なカロリーを摂取することなく、効率的にたんぱく質だけを摂取するかにありますからね。
それなのに・・・。
製造者の努力も知らずに・・・
プロテインを牛乳で割って飲む人がいたんですよ・・・。
別に悪いとは言いません。
増量目的(太りたい、身体を大きくしたい)という方であれば、牛乳で割って飲んでも問題ありません。
ですが、それでは本末転倒というわけですよね・・・。
というわけで、今日のことわざは・・・
今日のことわざ『本末転倒』
本末転倒(ほんまつてんとう)
意味 ・・・ 物事の大事な事とつまらない事が反対になること。物事の大切な所とそうでない所を取り違えること。
『本末転倒』の意味、由来
『本末転倒』の由来は、鎌倉時代まで遡ります。
鎌倉時代には、かつて天皇家や貴族だけに信仰されていた仏教が、武家や庶民の間にも広く浸透していきました。
その結果、天皇家や貴族によって支えられていた寺院の本山(それぞれの宗派を代表する寺院、総本山などともいう)よりも、
絶対数の多い武家や庶民たちを檀家に持った末端の寺の方が力を持つようになっていきました。
生産宗教、宗派によって名称はは異なりますが、最高位の「本山」の下には「本寺」「中本寺」「直末寺」「孫末寺」などの階層があり、各寺の間には上下関係が存在します。
この序列制度を「本末(ほんまつ)制度」と言います。
鎌倉時代に、この本末制度が逆転(ひっくり返る)する、つまり転倒してしまったことで、『本末転倒』という表現が生まれました。
では、ここで本末転倒な場面を例に挙げてみましょう。
あなたが勤務する職場で、生産効率を上げるために最新の設備が導入されました。
ですが、稼働中は生産スピードは向上するのですが、不具合や故障などのトラブルが生じると、復旧に長時間を要します。
その結果、最新設備導入前より全体での生産量は落ちてしまいました。
作業効率を向上させ、生産性を上げるために最新設備を導入したにもかかわらず、結局全体での生産量が落ちてしまっては、まさに本末転倒ですね。
他の例を挙げると・・・
晴れてコロナが終息したころ、あなたは北海道にグルメ旅行に出かけました。
そこで、ホテルの周りを歩いていた時、マクドナルドの窓に貼ってある新商品のポスターを目にしました。
ハンバーガーが大好きなあなたは、ついマクドナルドに入ってそれを食べてみると、驚くほどに美味しかったのです。
その結果、北海道までやってきたのにかかわらず、気が付けばマクドナルドの新商品ばかり食べていました。
これも実に本末転倒な行動ですね。
せっかくの北海道グルメ旅行なのに、北海道でしか食べられないウニやいくら、カニなどではなく、どこでも食べられるマクドナルドばかり食べていては、北海道にグルメ旅行に来た意味がありませんからね。
このように、本末転倒とは、
物事の大切なこと、、そうでないことが反対になる、逆転してしまうこと、本来の目的、物事の順序、優先順位などが反対になる、逆転しまうことを表します。
『本末転倒』の類義語、対義語
主客転倒(しゅきゃくてんとう)
意味 ・・・ 物事の優先順位、重要性の大小、立場などが逆転すること。
木を見て森を見ず(きをみてもりをみず)
意味 ・・・ 小さな部分だけにとらわれて、全体を見ようとしないことのたとえ。
角を矯めて牛を殺す(つのをためてうしをころす)
意味 ・・・ 些細な欠点を直そうとして、結果的に全体を損ねてしまうことのたとえ。
徹頭徹尾(てっとうてつび)
意味 ・・・ 最初から最後まで。終始。一つの方針や考えなどを、徹底してあくまでも貫くさま。
初志貫徹(しょしかんてつ)
意味 ・・・ 最初に心に誓い決めた事を、最後まで貫き通すこと。
首尾一貫(しゅびいっかん)
意味 ・・・ 最初から最後まで、一つの方針や態度で貫かれていること。
こんな場面で使おう!『本末転倒』を使った例文
・家族を幸せにするために夜遅くまで仕事をがんばってきたが、帰宅した時にはいつも子供は寝ているし、知らないうちに妻にも大きな負担をかけてしまっていた。これでは本末転倒だと、私は転職することに決めた。
・厳しいルールを自分に課すのはいいが、そのルールに縛られすぎてストレスを感じるようでは本末転倒だ。
・本末転倒なことに、バッティングで結果が出ていなかったので打撃練習ばかりしていたら、得意だったはずの守備でミスを連発するようになり、レギュラーから外されてしまった。
・彼の仕事はいつも丁寧で信頼できるのだが、丁寧に仕事をしすぎて納期を守れないのでは本末転倒だ。
・ダイエットのためにサウナに入り、たくさん汗をかいたからとビールを飲むなんて本末転倒だ。
『本末転倒』を英語で表現すると?
英語では、
put the cart before the horse
という表現があります。
cart とは、ここでは、人や荷を載せて馬に引かせる荷馬車を表しており、
直訳すると
「馬の前に荷馬車を置く」
となりますが、
荷馬車とは馬に引っ張ってもらうものですから、馬が荷馬車の前(逆の位置)にいなければ、馬は引くことができません。
そこことから、put the cart before the horse で、本末転倒と同じ意味の表現になります。
英文にすると、
That’s just putting the cart before the horse.
それじゃあ本末転倒だ。
It’s like putting the cart before the horse that college students are absorbed in part-time jobs and neglect their study.
大学生がアルバイトに夢中になって学業を怠るなんて、本末転倒だ。
などと表せます。
まとめ
『本末転倒』について深く考えていく中で、周りを見渡してみると本末転倒なことで溢れているものだと痛感してしまいました。
せっかくがんばって勉強して大学に入ったのに、アルバイトや遊びばかりに夢中になり肝心の学業が疎かになっている学生さん、
ダイエットのために運動しているのに、そのご褒美だと言って暴飲暴食する人、
お金をためるぞ!と意気込んで、めちゃくちゃ高価な貯金箱を買う人、
好きで始めた仕事のはずなのに、激務のせいでその仕事が嫌いになってしまった人、
憧れだった高級車を買ったのに、ローンや税金、保険の支払いに追われて、遠出どころかドライブも満足にできないでいる人・・・。
今一度自分が掲げた目標を思い出して、本末転倒になっていないか確認してみようと思った今日この頃です・・・。