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『俺の家の話』の長瀬智也さん演じる主人公・観山寿一からことわざを学ぼう!
2021年3月26日、とうとう最終回を迎えるドラマ『俺の家の話』ですが、
長瀬智也さん演じる主人公・観山寿一は、覆面プロレスラー・スーパー世阿弥マシンとして、能の宗家の跡取りとして、また人間国宝の父・寿三郎の介護、小学生の息子の子育て、二足どころか、三足、四足の草鞋を履いて奮闘してきましたね。
さて、どんなラストが待っているのでしょうか?
というわけで、今日のことわざは・・・
今日のことわざ『二足の草鞋を履く』
二足の草鞋を履く(にそくのわらじをはく)
意味 ・・・ 両立しえないような二つの職業を同一人が兼ねること。一人で二つの職業を持つこと。
『二足の草鞋を履く』の意味、由来
まず、『草鞋(わらじ)』とは、藁で編まれた履物になります。
一人で二足の履物を履くことはできないことから、
『二足の草鞋を履く』とは、両立しないような二つ仕事を一人ですることを意味します。
由来としては、江戸時代に本来は自分も処罰の対象となるはずの博徒(博打打ち)の中に、同業者の博徒を取り締まる協力者としての仕事を兼ねていた者がいたことから生まれたことわざです。
江戸時代には、『岡っ引き』のように、奉行所が軽犯罪者の罪を許す代わりに、非公認の協力者として取り締まりの手伝いをさせていたという事実がありました。
毒を以て毒を制す といった感じですね。
毒を以て毒を制す(どくをもってどくをせいす)
意味 ・・・ 悪を抑えるために別の悪を利用すること。
また、現代に置き換えれば、悪の組織に潜り込み潜入捜査をするスパイのようなものといえるでしょう。
そして、同じ履物でも下駄や草履ではなく『草鞋』が使われているのは、単純に当時は草鞋が主流の履物だったからのようです。
このように本来は、博打打ちとそれを取り締まる立場の者のように、
『相反する両立し難い仕事を掛け持ちする』という意味でしたが、
現代では単に二つの仕事を同時にこなす場合にも多く使われるようにもなっています。
『二足の草鞋を履く』の類義語、対義語
二兎を追うものは一兎をも得ず(にとをおうものはいっとをもえず)
意味 ・・・ 二つのことを同時に上手くやろうとすると、どちらも成功しないというたとえ。
虻蜂とらず(あぶはちとらず)
意味 ・・・ 同時に二つを取ろうとしても、どちらもうまくいかないこと。
対義表現としては・・・
申し訳ありません。
適切な表現が見つかりませんでした。
何か思いつけば追記致します。
こんな場面で使おう!『二足の草鞋を履く』を使った例文
・この業界は二足の草鞋を履いて成功できるほど甘くはないと痛感した。
・せっかく両親が残してくれた畑だからと、私は会社に勤めながら農業にも取り組み、二足の草鞋を履く人生を選んだ。
・新型コロナウィルスによる働き方の変化で、二足の草鞋を履く生活をする人が増えてきている。
・借金返済のためこの数年間、二足の草鞋を履いて無理をしてきたが、ついに身体を壊してしまった。
・コロナ禍で深刻な打撃を受けた居酒屋を経営する兄は、二足の草鞋を履く覚悟で新たな事業を模索している。
このように、『相反する両立し難い仕事を掛け持ちする』という本来の意味は、多少薄れて使われるようになってきています。
『二足の草鞋を履く』を英語で表現すると?
英語では比喩的なもので、このような表現があります。
Wear two hats.
(一人二役する、同時に2つの仕事をこなす)
※『hat』には、帽子だけでなく、職業・役割という意味もあります。
これは、欧米では職業によって帽子が異なったことに由来しています。
まとめ
一つの職業をしっかりこなすだけでも大変なのに、二つも同時に行うなんて難しい話ですよね。
ですが、先の見えないコロナ禍のなか、そうもいかなくなっている業種の方が多くおられることと思います。
本来の意味としては、ネガティブなニュアンスが強い『二足の草鞋を履く』ということわざですが、現代での使い方に表れているように、時代は大きく変わってきています。
もしかすると、あなたには秘めた素晴らしい才能、可能性があるかもしれません。
外出が困難な一方で、自由にできる時間が増えた方多くなっている今だからこそ、二足の草鞋を履く思いで、新しいことに挑戦してみるチャンスかもしれませんね。